地域から見た地球温暖化(3)2008年洞爺湖サミット

武山高之

 

20081025日記載から再編。2010921日)

 

地球温暖化の対策として、大方の意見としてCO2を減らすべきと主張されています。しかし、一部にはその必要はないのではないか、との意見もあります。

以下は2008年洞爺湖サミットの時に、私が地域のホームページ「あすみが丘国際交流機構」に投稿した意見ですが、ここに再録しました。

 

1.回想・高齢技術者の新エネルギー開発

洞爺湖サミットは、2050年の目標が決まって、終りました。42年先の目標です。各国の首脳が智慧を出し、是非中間目標をはっきりして欲しいです。

 ここで、まずお話したいのは、私も若かった34年前の石油危機の頃のことです。その頃、私は国家プロジェクトの『サンシャイン計画』に少し関係していました。石油ばかりに頼ることの危うさを感じ、立ち上げられた「新エネルギー開発計画」で、当時の通産省と民間が協力して進めていたプロジェクトです。続いて、『ムーンライト計画』という「省エネルギー計画」も立ち上げられました。これらの計画はその後、『ニューサンシャイン計画』などに繋がって、現在に至っています。

 当初取り上げた計画の中に、今議論されている太陽光発電・風力発電・バイオマス・水素エネルギーシステム・燃料電池・ヒートポンプなども含まれておりました。その成果が今のCO2削減計画の基礎になっています。34年前の研究が今も続けられていますが、まだ完成してもいない状態です。

 このことから考えると、洞爺湖サミットで42年先の2050年の計画を考えたことも、決して荒唐無稽なことだとは言えないでしょう。しかし、内容をしっかりして、中間目標をきちんとしてかからないと、40年先ででも間に合わないかも知れません。

 

2.市民が思う洞爺湖サミット

 ところで、サミットの地球温暖化防止対策の議論は複雑で判り難いですね。そこで私なりに、4つに分けて整理してみました。

 

1)政治家の議論

 本音を言わないので、国際的には国益、国内的には党利党略ばかりで判り難い。

2)経済学者の議論

「排出量取引」の問題がこれに当たります。これも国益や企業の損得ばかりが議論され、本当に温暖化阻止の促進効果があるのか疑問に思います。

3)地球物理学者の立場

 地球の気候変動にはまだまだわからない不確定要素がたくさんあります。

「ここ数十年の温暖化が、本当に人間活動によるCO2の増加の結果である」

と決め付けるのには問題が残るという、意見があります。1990年の国連IPCCが出した「気候変動」の報告書には、その不確定要素について、明記されています。

 いまなお、「気温上昇をCO2増加のためだ」と断定できないという意見が著名な学者の中にたくさんあります。

4)技術者・工学者の立場

 3)の議論は残るが、CO2による温暖化が真実ならば、今のうちに対策を考えねば、手遅れになります。そのため、次の3点からのいますぐに対策を取っておくべきであるという考えです。私はこの立場に賛同します。

① CO2発生がないか、あるいは少ない「新エネルギーシステム」を考える。

② CO2を吸収する森林の保護と、地中のCO2貯蔵を考える。

        変換効率のいい装置・機械を考える。

 

①および②については、

原子力発電・太陽光発電・風力発電・バイオマス・水素エネルギーシステム・メタンハイドレート・燃料電池・ヒートポンプ・地下CO2貯蔵などの技術開発を具体的に考えることです。ところが、いずれも長短があります。それを具体的に解説した議論が一般国民にされていないように思います。まだ、専門家の意見が分かりかねています。

 いまは、政治的論争に明け暮れるよりも、この技術論を掘り下げることがより大切な時期ではないでしょうか。