2010.1.18

西 村 三千男

 

「奇跡のりんご」を巡る話題〜その3

 

金子美登(かねこよしのり)氏の場合

 

木村秋則著「りんごが教えてくれたこと」を読んで、この連載の「その1〜2」

の原稿を推敲中の去る1月5日、NHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀」に

よく似た有機栽培のカリスマ農業者・金子美登(かねこよしのり)氏が登場した。

サブタイトルは「命の農場で、土に生きる」であった。世の中にはこんなにも酷似

した話があるのかと驚くが、もっともっと他にもあるのかも知れない。

 

金子氏は埼玉県小川町で有機栽培の農場を営んでいる。1948年埼玉県の酪農

家に生まれ、年齢は61才、青森のりんご農家に生まれた木村氏と同年代である。

苦節約40年の試行錯誤の結果、完全な無農薬、無(化学)肥料栽培に成功し、時

の人となり、多くの農業者、非農業者のファンを得ているところがよく似ている。

有機栽培に苦戦して収入が少なかった時期に、「複合汚染」を著した有吉佐和子さ

んから支援されたエピソードも紹介された。

 

金子氏が木村氏と違うところは、「リンゴではないこと、農水省の農業者大学を

第1期生として卒業していること、卒業後同大学の講師も勤めていること、農水省

の支援事業として有機栽培研修所「霜里農場」を営農していること、地元の町議会

議員であること」等々がある。木村氏がリンゴから出発し、成功してから米や野菜

に手を広げたのに対して、金子氏は最初から約60種類の野菜の混ぜ植えを特徴に

してきた。TV番組の中でも、混ぜ植えの利点の数々を説明された・・・

l         ニラとトマトの混植(ニラの拮抗菌がトマトの病害を防ぐ)

l         ニンニクとイチゴの混植(ニンニクの拮抗菌がイチゴの病害を防ぐ)

l         大麦とイチゴ(大麦の害虫は天敵テントウムシを招く、

序でにイチゴのアブラムシも捕食する)

l         パセリと茄子(パセリが茄子の病害を防ぎ、茄子の日影をパセリが好む)

l         レタスと春菊(モンシロチョウが春菊を嫌って、レタスに産卵しない)

 

金子氏は米作、野菜栽培と小規模酪農を組み合わせて、牛糞から堆肥をつくり、

発生するメタンガスを燃料にして、自己完結型の循環型有機農業を目指している。

一方の木村氏は山のドングリの姿を究極の目標にしている。堆肥も使わない、下草

も刈らない自然栽培法である。

 

 両氏共に作物をよく観察し、よく考え、よく工夫するところが共通している。

 

 1月5日のNHK−TV「プロフェッショナル〜仕事の流儀」のホームページ

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/100105/index.html

 何故か、このURLをクリックしても開かないけれど、

このURLを転記すると開く。

 

(その3 おわり)