2010.11.3

西 村 三千男

 

「奇跡のりんご」を巡る話題〜その7

 

一昨日(2010.11.1)夕の「NHKクローズアップ現代」のテーマは

「微生物とつながる農業多様性」であった。この題目は意味不明・・・と思って

いたが、いきなり映像画面に「奇跡のりんご」の木村秋則さんが登場したので注

目した。

キャスターは、いつもの国谷裕子氏ではなく、森本健成アナウンサーが代行し

ていた。スタジオゲストは百町満朗氏(岐阜大学応用生物学部教授)であった。

 

エンドファイト

取りあげたのは「エンドファイト」という植物に自然共生する微生物の研究と

実用の最前線であった。「エンドファイト」とは、植物の体内に入り込む微生物

の総称で、古くから知られているマメ科植物の根粒バクテリアも含まれる。植物

の成長を促進したり、病虫害から植物を守る効果も知られるようになった。本格

的に研究されてまだ日が浅く、体系的に判っていることは極々少ないらしい。

 しかし、番組では大々的に進展する実用化を紹介した。ニュージーランドでは

虫害に強い牧草栽培に適用して大成功している。北海道美唄では米作のイモチ病

対策に効果を発揮している・・・等々。

 

奇跡のりんごとエンドファイト

木村りんご園の土壌を杉山修一氏(弘前大学農業生命科学部教授)が分析した

ところ、土壌微生物の種類が他のりんご園の土壌に較べて2倍も多かったと紹介

された。それが番組冒頭の映像であった。ゲストの百町教授は木村りんご園の奇

跡の成功の秘密を、エンドファイトが雑草の根とりんごの根の橋渡しをしていると

の推定を述べられた。

木村さんの著書「りんごが教えてくれたこと」に杉山教授の分析のことは既に

記述されている。また木村さんの公式HPの調査・研究の項に杉山教授の寄稿が

掲載されている(http://www.akinorikimura.net/archives/category/research)が、そこ

ではエンドファイトには言及されていない。

 

(その7 おわり)