返答

 

西村さんの興味ぶかいコメントに感謝します。

 

日本の社寺でもみじを絶やさないための新しい苗は、自然に芽を出した楓の木の中から選ぶというのは、日本らしいやりかたですね。日本の気候は湿度が高く、冬は温暖、太陽光線は大陸と比べるとかなり弱く、楓の芽が出やすく、また強い太陽光線が、芽が出て間もないかよわい楓の葉を焼き切ってしまうような可能性が非常に少ないと考えられます。また境内の楓の種類もおそらく一種類でしょうから、雑種ができる可能性も少ないわけです。

 

一方、楓に興味を持つ人というのは何種類もの楓を庭に植えたりするので、もしそれぞれが種を作ったとしても交配種ができる可能性がおおく、また、楓の種というのは一二種を除いては非常に発芽しにくいものなのです。そのために、芽の出やすい種類の木で台木を作りそこへ接木をするのが無難な方法になるわけです。

 

かぼちゃやトマトで接木をするとは知りませんでした。ジェラニウムなどは冬越しをさせ、春になってぶつきりにしてから、挿し木をするという話をきいたことがあります。

 

我が家ではトマトをいとも簡単に挿し木できることがわかったので、トマトの枝を冬越しさせ(挿し木で背の低いものをまず作り、家の中の窓際で保つ)、春になってからジェラニウムと同様に短く切ってから挿し木をしてはどうかと考えていたところです。

 

一年草の多くは秋になると寿命で枯れる場合と、気温が下がるから枯れる場合の二種類です。後者の場合ですが、冬あまり寒くならないカリフォルニアで大根を植えると何年でも生きています。そのかわり、根は2年目には樹木の根のごとくかたい根になって、花だけは菜の花のようなのをさかせます。またサンフランシスコの住宅街で何年も生きてきたジェラニウムを見たことがありますが、その幹や枝は潅木のごとく堅いものになっていました。

 

挿し木で根をえて独立した植物には、背が低くても親の木から切り取られたときの樹齢をもちつずけています。つまり、幼木には花は咲きませんが、花の咲きそうな枝を切り取りそれを挿し木して根をもたせると、全体の背が低くても花がさき実もなります。

 

中村省一郎 (9-9-2010)