国際性の欠如

 

これまでに何度もオンラインでクレジットカードで買い物をこころみた。私のクレジットカードはアメリカの銀行で開いたものであるためか、ヨーロッパでは断られることはないのに、日本ではホテルか航空会社でないかぎり「お客様のクレジットカードはお使いになれません」と断られることが多い。だからオンラインで買い物をするときは娘の住所を用い、支払いは郵便局からの振り替え用紙を用いなければならない。ところが日本の郵便局は始まるのが9時からで、閉まるのも早く、また家から遠いので、働いている娘に頼むと仕事を休んでいかなければ出来ないと怒られることになる。買い物以外でも、外国住まいのためインターネットでは相手にされないことが多い。また、日本のビジネスでは年齢も障害になる。先日ある申し込みをしたら、住所年齢を書かされ、74歳だと書いたら60歳以下の方に限ります、と断られてしまった。日本では60歳を過ぎると、もう社会から締め出され始めるらしい。

 

本日楽天ではじめての買い物をした。外国住まいのなので、可能かどうか疑問があったが、外国で登録されたクレジットカードが使え、また外国住所に配達してくれるというのは、従来のオンライン商店に比べると大きな進歩である。

 

しかし、外国の住所のため登録には非常に苦労した。その理由は、住所記入の欄が、都道府県市町村名、その他(路名、番地)、の二箇所に分かれていて、両方入れないと受け付けられないところにある。外国名の住所を、都道府県市町村名、その他(路名、番地)に振り分けて書き入れるのは簡単ではない。それでもどうにか入力後に実際に新しいページに住所が印刷されてみると、二箇所にわけた情報の間に空間または句読点などが入れてあってもぜんぶ消去されてしまい、入力した英語の住所が外国では意味のないものになってしまう。たとえば、国名が先になって、番地が後では国際的に通用しないし、郵便番号のあと国名が空白なく続いてもおそらく意味不明と解釈されるのがおちである。何度もやり直して、何とか配達してもらえる形にはしたけれども、国名の前にブランクも入らず、改行もできず、みっともない不完全なものにしかできなかった。アメリカ人の配達人は、常識のない句読点の間違った住所でも、読み取れれば配達してくれるだろうという頼みに託すしかない。

 

県名の選択に外国というのがあるのだから、そこを選んだ人には、国際的に標準化された住所が入力できるようにできるはずである。

 

もうひとつの苦情は、「購買は楽天会員でなくてもできるが、楽天会員になると2000ポイントの得点がある」というので、楽天会員の登録をしたのだが、この登録の直後購買額が2000円安くなるというページがひらいたものの、そこから購買のカートへ戻るリンクはどうしても見つからず、もう一度買い物をしたい店のページに最初から入りなおしカートを見ると、そこには2000ポイントの情報はなく、結局だまされたことになった。客をだまして会員に募るのというのは許せないことである。

 

一筋には行かなかったものの、これで買い物の手続きも済み、アメリカの自宅に送ってくれるものと安心していたら、半日もしないうちに、店のほうから直接イーメールの連絡があって、外国には発送できないという。結局、外国にからも購買できるというので時間をかけて手続きをしたのに、すべては見かけばかりで嘘ぱちであった。

 

楽天はアメリカのeBayに相当している。eBayではよく買い物をするが、国の壁がまったくないに等しく、買ったものがオーストラリアから届いたり、香港から送られてきたりすることも少なくない。また植物の種が英国から来たこともある。

 

日本でのインターネットの普及率は、アメリカ、ヨーロッパ、韓国に比べると驚くほど低い。その理由はいくつかあって、PCの普及し始めた初期には富士通が市場を独占し、日本では外国の3倍くらいの値段でしか買えなかった。このため富士通は儲けたかも知れないが、使用者の普及がおくれ、結局PCの生産技術でも他国に負けた。日本語の検索機能はずいぶんよくなったが、それでも英語圏の検索機能に比べれば非常に低い。ブロードバンドの普及でも遅れたが、いま足かせになっていることのひとつは、インターネットに対する不信感ではないだろうか。アイソマーズ通信は識者の集まりのおかげで成功しているが、高校の同窓会で同じことが出来ないのは、インターネットに自分の書いたものを掲載すると災いが生じるのではないかと恐れる人が多いこともひとつの理由のようである。また、楽天の場合のように先端を行っているようでも、まだまだ信用しきれないところがあることもインターネットの普及に大きく影響するであろう。

 

「危機」は機会でもあるということを時々聞かされる。上記のことは日本のビジネスの危機でもある。なぜなら、このままでは国際的な販売はいまだ不可能に近いからである。これを克服することが日本の中小販売店にとって広い世界への「機会」に通じる道と私は考えている。

 

中村省一郎 2-26-2010