Cornell University Library’s great treasure of science:Lavoisier collection is Mme. Lavoisier’s achievement

 

コーネル大学図書館員David Corsonの両の手は、大学がごく最近獲得したAntoine Laurent Lavoisierの資料を選別しながら、文字通り震えていた。そこにはこのフランスの偉大な化学者の妻であり、芸術的才能に恵まれたMarie-Anne Pierrette Paulze Lavoisierが独特のスタイルで正に手作り製本した書籍類があったのだ。

Lavoisier1743 – 1794)は近代化学の父と目されている。とくに酸素の発見では、現象的にはスウェーデンのKarl Wilhelm Scheeleと英国のJoseph Priestleyの功績があるが、Lavoisierは元素としての酸素を発見したと評価すべきである。[]

 

[] 酸素の発見:Scheele1771年)とPriestley (1774) は独立に酸素を取り出した。しかし、2人ともフロギストン(燃素)説の信奉者であった。Lavoisierは、金属を熱するときの重量増加が空気の一部分が固定されるためと考え、Priestleyの実験と逆に、密閉器中で水銀を空気と熱して酸化水銀をつくり、空気の減りぐあいを調べ、さらに酸化水銀を熱して酸素を得ることを確認し、フロギストン説と真っ向から対立する新燃焼理論を建てた。Lavoisierは、1777年に初めてこれが元素単体であることを明らかにして、この新しい気体中での燃焼生成物の多くが酸の性質を示すことから、ギリシャ語のoxys(酸味のある)とgennao(生じる)からoxygéneと命名した。元素としての酸素の発見は化学史上きわめて重要なできごとで、これにより近代化学の礎が築かれた。

 

何れにせよ、この科学コレクションの学芸員であるCorsonが手にしているのは、Mme. Lavoisierが正に所有していたLavoisier1789年版の本Treité Élémentaire de Chimie – “疑いもなく嘗て出版された最も有名な成書”である。それはまた、Mme. Lavoisierがこの本のイラスト総てを描いた作品でもある。

Cornell大学のLavoisier Collectionは、パリ以外ではこのフランスの化学者に関する最大の資料集成なのだ。彼女の夫がフランス革命で処刑された後、Mme. Lavoisierが集めていた当初のコレクションはコーネル大学が1962年に既に購入していたものである。2007年初頭に、コーネル大学はMme. Lavoisierによる本来のコレクションのうち最後に残されていた部分をも購入した。それには数百ページに及ぶ新たな原稿資料と、以前のコレクションにはなかった150点以上の物品が加えられた。学芸員のCorsonによれば、このコレクションの2,000点の書籍と原稿は、Antoine Lavoisierの生涯の全貌を記録するものであり、とくに彼の酸素に関する決定的な研究だけでなく、現代の化学命名法へ発展する業績が目覚ましい。それらのノートに含まれているものは、彼のドラマティックな実験で、水の分解と再生により酸素の存在を明らかにし、更にそれの化学反応での役割を明らかにしたものである。

コレクションの宝物の一つは、Mme. Lavoisierの旅行ケースで、閉じてあると2冊の書籍のように見えるが、開いた中身は細かな実験器具が整然と収められている。この鞄は、2000年にRoald Hoffmann (ノーベル化学賞)とCarl Djerassi (スタンフォード大学)が共作した二幕劇Oxygenで重要な役割を果たしている。

Mme. Lavoisierの伝記はこの僅か2年前に発刊されたものだが、Hoffmannによれば、彼女はこのオペラのヒロインに相応しい。

恐怖政治の間に、彼女の夫と父親は審問され、有罪となり、同じ日179458日に断頭台の露と消えた。彼女も投獄されたが、釈放されたのちは、夫の名誉と研究資料を護るために奮闘した。この彼女なしには

コーネル大学のLavoisier Collectionは決して存在し得なかったのだ。

 

Mme. Marie-Anne Pierrette (Paulze née) Lavoisierの詳しい評伝を、改めて次回に。

 

 

出典:http://www.news.cornell.edu/stories/Jan07/Lavoisier.html

 

当時最も著名な画家 Jacques-Louis DavidによるLavoisier夫妻が寄り添った肖像画も掲載されている。