201122

西 村 三千男 記

 

「旅の雑記帳・オランダ」 

 

第19話 ダッチの人々〜その3(なんでもOKの国)

 

ロッテルダム港はヨーロッパ最大(世界第3位)の港湾である。その一部を

「ユーロポート」と呼称することがある。ユーロポートという用語は最近では

あまり使われない。今から半世紀前、私がデュッセルドルフ駐在事務所に勤務

していた1960年代には、石油化学工業コンビナートの最先端の立地として

喧伝されていた。当時、「世界最大の石油化学コンビナートはヒューストンの

シップ・チャンネルである。では第2位はどこか?」「それはユーロポートに

立地する米国企業のコンビナートである!!」と皮肉を込めて語られていた。

莫大な投資で誕生させたインフラの上で、繁栄を享受しているのは外国企業と

いう図式である。今なら「ウインブルドン現象」と揶揄されよう。市場開放と

自由貿易を標榜する国、「無理をしない国」オランダは、そんなことは些かも

意に介さない。

 

少々際どい想い出話をしよう。「据え膳食わぬは男の恥」という俚諺がある

が、これは「据え膳を食わなかった男たち」の物語である。

 

某年某月某日の夕食後のこと、このシリーズの第4話に再度紹介した名物社

長のv.d.W氏が、私を含む電化マン4名をアムステルダムの高級ナイトク

ラブ“B”へ案内してくれた。W社長いわく「このクラブの女性の半分は売春

OK、その目シルシはXXXである。この国では、日本と違って売春は合法で

あるから心配は無用。ネゴ次第である。その代金もこのクラブの代金もWのア

カウントへくるので支払い無用である」と。そう云ってW社長は退去された。

(付言すると、そのW社長、日本滞在中は毎日「買う」豪の者でもあった)。

我々日本人4名は、W社長のお勧めにもかかわらず女性たちとネゴすることも

なく、暫時この高級クラブの雰囲気を楽しんでホテルへ帰った。

 

オランダの或る一面は「なんでもOKの国」「無理をしない国」と云われる。

売春については「18歳以上の売春、買春は合法」である。また、合意の上の

性行為は12歳からOKだと云う。このために、小学生の低年齢からしっかり

性教育している。

 

他に「なんでもOK」の例を数例挙げるなら「遺伝子組み換え食物」、「麻

薬のうちソフトドラッグ」、「安楽死」、「同性愛、同性同志の結婚」などが

合法である。

 

                              (つづく)