201126

西 村 三千男 記

 

「旅の雑記帳・オランダ」 

 

第20話 ダッチの人々〜その4(環境コンシャス?)

 

「花いっぱいの国」

オランダは「花いっぱいの国」である。第8話「キューケンホフ公園」にも

述べたように、花卉栽培はオランダが得意とする産業である。輸出競争力が強

くて、日本へも生花や球根を大々的に輸出している。

国中の公園その他の公共スペースには花をふんだんに植えている。また、家

々の出窓には、街路に向けてキレイな花を飾る習慣がある。室内に向けるので

はなく、必ず外に向けて、道行く人々の目を楽しませるのである。

 

「川下の国」

ライン川の最も下流〜川口に位置している。スイスやドイツなど上流の国々

でライン川の水質を汚濁すれば、下流域のオランダを直撃することになる。現

実に、1986年にスイス・バーゼルの複数の化学企業が連続して大規模な水

質汚濁トラブルを発生し、ドイツ、オランダに深刻な被害をもたらした。上流

の国々の行動を牽制するためにも、オランダは自国内の運河の水質環境(汚濁

と水温)を良好に維持することを法で定めている。

 

「海抜ゼロメートル以下の国」

干拓で国土を広げてきたオランダは、面積の四分の一が海抜ゼロメートル以

下と云われる。スキポール空港が海抜マイナス1メートルだとされるのが象徴

的である。地球温暖化によって海水面が上昇する説が本当であるなら、オラン

ダ、バングラデシュ、ツバルなどの海抜ゼロメートル以下の国々には、国土の

一部に水没の危機が迫る・・・とIPCCの地球温暖化COP会議でも議論さ

れている。

 

「無理しない国」

以上述べたような理由からも、オランダは環境意識の高い国である。しかし、

オランダは「無理をしない国」「過度に頑張らない国」である。何事にも、実

現可能なアクション・プランを立てて、着実に実行してゆくのがオランダ流。

隣国ドイツのように、環境を最重要政策に位置付け、近未来に環境産業を自動

車産業以上の規模に育成する・・・と宣言するような派手なことはしない。ま

た、極東の日本のように、確たる根拠も見通しもなしに「2025年までに、

地球温暖化ガスの排出量を、1990年比で25%削減する」と国際公約する

ような無謀なことはしない。

 

                              (つづく)