201128

西 村 三千男 記

 

「旅の雑記帳・オランダ」 

 

第21話 ダッチの人々〜その5(会議上手)

 

国際会議を成功させる要諦は“インド人の多弁を抑制し、寡黙な日本人の発言を

促すこと“・・だと冗談半分に云われる。インド人は往々にして理念や哲学を演説

したがる。その一方で、日本人は伝統的に英語が苦手で、議論も下手だとされる。

日本には「会議とは、会して議せず、議して決定せず、決定して実行せず・・・」

と云う戯れ言がある。

 

オランダ人は会議上手だとつくづく思う。私が深いご縁でつながるAKZO社が

特別なのか、それともオランダ全体がそういう社会風土なのか・・・は判然としな

いが、前回も述べた如く、オランダが「無理をしない国」「過度に頑張らない国」

であることとつながっているように思う。

 

オランダでは「会議とは、会して、議して、決定して、アクションプランを決め

る」ことである。短時間で結論を出す。合意点について、何時までに、誰が、どの

様に実行するかのアクションプランを決める。勿論、幾つかの論点で合意に到達し

ない場合がある。その場合には、論争を延々と続けずに早めに打ち切り、これから

その合意点を探るためのアクションプランを決めるのである。

 

 第3話に述べたが、1978年、私たちはMCA製造のコピープラントを試操業

スタートした。アッという間に、ヘンゲロのオリジナルプラントと較べ、製造成績

全般で我が方が比較優位となり、圧倒してしまった。電化とAKZOの両親会社の

公式会議で、AKZO社の技術トップは「You beat us. We loose. 」・・・ とい

とも簡単に降参した。そして、会議は「青海のJVプラントをもっと良くするには

どうするか・・・ヘンゲロのオリジナルプラントに青海の成果をどう反映するか」

・・・というように先へ先へと進むのであった。

 

ここまで日本の会議下手とオランダの会議上手を述べたが、他の国々はどうか?

読者の皆さんは米・英・独・仏・伊・中国・インド等々との会議に豊富なご経験と

ご意見をお持ちでしょう。私の独断と偏見に充ちた考察は次の機会にご紹介する。

 

                              (つづく)