201110

西 村 三千男 記

 

「旅の雑記帳・オランダ」 

 

第8話 キューケンホフ公園

 

チューリップの展示公園として有名な中央オランダのキューケンホフ。旅行社の

企画する春〜初夏のオランダツアーにはほぼ例外なく「キューケンホフ公園観光」

が組まれている。Keukenhof と綴るのでドイツ語読みでは「コイケンホフ」、実際

に隣国のドイツ人はそうよんでいる。

 

キューケンホフはアムステルダムのシティセンターから数十km余り南西方向に

ある。旅行社企画のツアーなら専用バスで時間距離は小1時間と近い。自動車で移

動するならもっと容易だが、観光客が押しかけるハイシーズン中は駐車場の確保に

苦労するかもしれない。チューリップ栽培圃場の中に造成された大型英国式庭園で

ある。政府観光局の公式ホームページには公園の面積32ha、チューリップの種類

100種以上、株数450万株、ヒヤシンスやアイリスなどを合計すると700万

株・・・と誇っている。公園の中の施設やイベントの紹介はホームページに詳しい

ので、ここでは立ち入らない。日本でも富山県砺波や新潟県胎内に大型チューリッ

プ公園があるが、規模の点では大差がある。

 

キューケンホフでは、シーズン中は世界中から訪れる観光客の一方で、花の球根

のバイヤーとの商談も盛んに行われているらしい。オランダはチューリップ王国で

ある。珍しい品種も次々と開発される。会社生活の最終盤の頃、毎年晩秋になると

AKZOの特殊化学品カンパニー社長からチューリップ等の球根の小包が贈られて

きた。当時は本シリーズの第3話、第7話に経緯を書いたJV会社の非常勤取締役

の任にあった。海外の名門企業とJV会社を設立した当初は現場を担当する課長、

そして歳月が巡り巡って晩年はそのJV会社の非常勤役員を兼務している・・・顧

みて会社勤め人の冥利に尽きる経歴と思う。

 

糸魚川の自宅の庭に植えた珍しい株が、今でもその季節になると咲いている。

 

                              (おわり)