NHK番組での新語の無神経な使い方

 

NHKの番組はサテライト経由で入るのだが、私は自分からNHKの番組聴くことはしない。その理由は2つあって、一つ目は番組を非常に聴きにくくする非常識で無神経な背景音楽がほとんどの番組に入っていること、二つ目は、英語単語の無神経で押し付けがましい使い方が聞くに堪えないことである。

 

2日ほど前、たまたま神戸大震災を回想し地震に備えて何を備えておいたらよいかの番組をやっていた。内容は役に立つものであり、聞いておいたほうがよいに違いないものであった。しかしこの番組でライフラインという言葉の独りよがりで押し付けがましい使い方が非常に気になった。

 

英語でライフラインの本来の意味は、ある状況で生死にかかわるような供給とか人とのつながりなど、それが切られれば生きてゆけなくなるような物事を意味する。具体的になにを指すかは場合場合によって異なり、なにがライフラインであるかは、個々の場合によって説明が必要である。

 

この番組では、ライフラインとは電気、ガス、電話(これらを英語ではUtilityという)であると説明していた。確かに電気、ガス、電話は日常生活のためのライフラインに違いないが、ライフラインといえばすなわち電気、ガス、電話を意味するとはかぎらない。落盤で長期間炭鉱の閉じ込められた鉱夫にとっては地上と交信ができる、また食料の供給もしてもらえる通気用のパイプがライフラインであった。

 

英語を良く知らない出演者がライフラインという単語を持ち出して、その意味を良く知らない大衆の視聴者にたいし、電気、ガス、電話の意味だと説明することは大きなまちがいである。この番組ではライフラインをその後2度ほど使っていたが、番組の重要な点は電気とガスが切られた場合の困難と対策で、電気とガスの単語を何度も用いており、ライフラインという単語はこの番組にとって非常に重要な単語ではなかった。

 

無神経な使い方の英語単語はNHK番組で次々に登場している。自分の最も良く知っている日本語で正確に表現することをすべきである。英語の世界では、不特定の大衆に対して話をしたり文章を書くとき語彙の選択に非常な注意がはらわれている。

 

医療問題や社会問題の番組でも、人の話をかき消すようにやにわに背景音楽がよく入る。背景音楽は話を聞きにくくするばかりでなく、音楽の内容も作曲演奏ともに聞くに堪えぬような雑なのもで不愉快なものが多い。NHKは重要な内容の番組をつくって置きながら、背景音楽で番組の価値を損なっている。NHKはなぜこのような無駄な背景音楽を取り払うことが出来ないのだろうか。迷惑している人も多いはずであるがNHKに対して苦情を申し立てるひとは居ないのだろうか。

 

このような理由で、例外を除いて平素はNHKを絶対に見ないようにしている。

 

中村省一郎