(3)湖水地方

 

湖水地方というのはブリテイッシュ島の中央西側に位置していて、カンブリア時代に隆起して出来た山と湖のある地域であり、多くの観光客が訪れる。2泊し、雨が多かったが、山も湖も美しかった。

 

バススパから列車で4時間で湖水地方に着く。車窓からみえる景色は、北に行くほど畑がなくなり羊の牧畜ばかりとなった。いくつもの町を通りすぎたが、必ずといっていいほど工場の廃墟があった。おそらく、1~2世紀まえの工場が閉鎖されたまま、廃墟としてのこっているのであろう。廃墟といえば英国には、城、館、教会などの廃墟が非常に多い。

 

ロンドンからバススパに列車でいったときにも気がついていたのだが、新幹線のような流線型ではないのに列車の速度がえらく速い。車掌が回ってきたときに聞いてみたら125マイル/時であるという。換算すると、205Km/時となり、JR新幹線の約8割まで行っている。この国では、フランスやドイツと異なり、新幹線風の新しい線路を作らず、従来線の速度を上げることで同じ目的を達しているのだ。

 

湖水地方ではベッドアンドブレックファストに二泊した。駅でまた車を借りていったのだが、地図の上では簡単そうな道順であるのに、その宿屋はどうしても見つからなかった。そこで携帯電話からこちらの位置を伝え迎えにきてもらった。この地方の遊覧は、船、蒸気機関車の引っ張る列車乗り、景色を眺める、みやげ物を買う、などどこの国の観光地にもあるようなものである。でも、カンブリア時代に隆起でできた山々は、ちょっと目新しく見ものであった。とはいえ、私にとってはこんなところで観光に時間を費やすよりは、やはりスコットランドに北のほうへ行って、スコッチウイスキー醸造所をたずねたっかたのだが、そのような小言は喉からは出さない。

 

二泊がすぎて、次はエジンバラ行きであるが、少々あわてる問題が起きた。列車の発車は9時35分、レンタカー屋は9時15分にならぬと開かない。しかし、レンタカー屋では、駅はすぐ近くなので乗せてゆくからそれだけの時間があれば十分間に合うというので、安心していた。しかし9時15分はおろか9時30分になっても来ない。近いといえどもトランクを引きずって歩ける距離ではない。そこへちょうど空のタクシーが通りかかったので、借りた車の鍵を郵便受けに投げこんで、タクシーに乗りどうにか列車に間にあった。