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アクアポニックス-2

利点と問題点

 

前回のアクアポニックスでは、私の初歩的なアクアポニックスに関する知識をまとめたが、藤牧さんからすでにアクアポニックスについて企業あるいは研究所のレベルの、それも国際的な仕事をされていることのコメントをいただいた。そういう企業や研究所がアクアポニックスに関するどういう技術を持っておられるかは想像以外には知識を持ち合わせない。

 

一方、アクアポニックスに関してさらにインターネットで調べてゆくと、アメリカでもその他の外国でもかなりの研究と応用が進んでいることがわかった。これらの資料に目を通しての感想は2つの大切な点に注目されることである、第一はアクアポニックスの利点についてであり、第二はアクアポニックスの技術的に困難な問題である。今回は、これらの二点に関して要約したい。

 

アクアポニックスの利点は土壌なしに野菜が作れ、良質の天然有機肥料により成長が早く、その収率も高く味がよい。水の使用量が極端に少なく、雨の少ない場所でも野菜の生産ができる。狭い場所で非常に密度の高い生産が可能である。これを数字で示すと、野菜は2倍の成長速度になり畑の4倍の密度で植えられるから、同じ面積の畑の生産に比べ計8倍の生産となる。さらに魚が生産できるわけであるので申し分ない。必要な水は畑の場合に比べて10%以下の水量でよい。

 

EZFarm & Fishという名のサンフランシスコにある会社の記事に寄れば、一例として3mx6mの場所があれば、一年に200Kgの魚と1000個のレタスが生産量が出来るという。サンフランシスコでは温室さえ必要ないので、庭の片隅でこれだけの生産ができるというのはものすごいことではないか。

 

特に、屋内でも、ビルの屋根でも出来るから、都市の中で野菜と魚の生産ができる。屋内を用いるときはLEDランプを用いることが必要であるが、これはハイポニクスですでに行われている。この利点は、使わなくなった建築物が利用できることで、アメリカの大都市ならこのような廃屋には事欠かない。屋外の場合、太陽熱の利用が楽に出来、冬の暖房のためには絶縁を良くしたタンクの水を昼間巡回して夜暖房に使うことが、建物の暖房よりも遥かに簡単にできる。同様に太陽発電を組み合わせれば、ポンプの電力はそれだけでも賄うことができる。化石燃料資源をほとんど使わずに出来ることも大きな利点である。都市の中でできるということは、消費地の近くで生産できることで、運輸の無駄が省ける。

 

アクアポニックスでは化学肥料を使わず、また農薬も使わない。なぜなら魚のもたらす有機があるから化学肥料はいらず、また土に植えないので雑草を殺す農薬の必要がない。農薬は魚を殺すので、使うことも出来ない。

 

近年のごとく旱魃で全く農作物が出来なくなったり、また土壌の荒廃により作物の収率が悪い地域が出来るなど、農業に不利な条件が増える今日、小さな場所で収率が高く、水もごくわずかしか使わないアクアポニックスは、急速に注目を浴び始めており、講習会の予定が発表されると半年前でもすぐに満員になるという。

 

 図1

 

さて第二の点に移ろう。これまでは良い事ばかりを書いたが、困難もある。それは魚の排出する糞の分解の経路と植物が肥料として吸収する窒素分のバランスの問題にかかわっている。魚の糞は直ちに肥料となる成分もあるが大半は微生物による何段階かの分解により硝酸化合物にならないと肥料として植物に吸収されない。大きく分けて3段階あり、微生物による分解の第一段階ではアンモニア発生であり、第二段階でアンモニアは亜硝酸塩になり、最後の段階で硝酸塩となってはじめて肥料となって吸収される。各段階で異なった微生物が関与する。

 

したがってこれらの3段階の分解の済まないまま、魚の水槽の水が野菜のほうへ回ると、窒素分は吸収されないまま、魚の水槽へ戻されることになり、魚の水槽の窒素分は上昇する。

 

また、仮に野菜に行くまでに3段階の分解が行われるとしても、野菜の生長は季節によって遅い早いがあるので、野菜の方へ流された窒素が全部消費されないで、魚の水槽に戻される場合もありえる。

 

魚の糞が分解するまでの段階は、動物の糞を畑の肥料にするときに必要な段階と本質的に同じである。この分解に必要な時間をかけないで畑にまいたり、また量が多すぎると、雨で流され河川や湖の公害につながる。実際この夏オハイオのいくつかの湖でこのための窒素過剰による大きな問題が起こり、水が汚染されただけでなく、有害な藻や菌が発生した。人間が近寄ることが禁止されたが、中へ入った犬が中毒しした。アクアポニックスでもこれの小規模なのが起こる可能性があるという。そしてそのような状態で彫っておくとイコライ菌が発生しやすくなる。

 

図1に示したのはフィルターとセプテイックタンクがついて、初期のもっとも簡単な設計よりは改良されているが、水の流量は一定である。1983年にデラウェア大学とGlobal Aquaticsで開発した設計では野菜部分を通り過ぎた水は直接には魚のタンクに戻さないで、タンクにためる方式をとった。その水に窒素分が含まれていたら、魚の水槽に戻せば魚の健康、または生命に危険を与えるし、川や下水に捨てると公害になるので難しい。

 

とはいえ、現在すでに営業に使われているアクアポニックスのほとんどは、図1の方式化か、もっと簡単でフィルターのついていないものもある。

 

 

関連情報

Botswana Farm

Botswana, Africa - November 16, 2011

http://www.portablefarms.com/

 

オーストラリアのアクアポニックス ビデオ

http://www.youtube.com/watch?v=WQl801YjFV0&feature=related

 

アクアポニックス ビデオ 詳細不明

http://www.youtube.com/watch?v=tGlG9xxOAZg&feature=related

 

アクアポニックス ビデオ UK

http://www.youtube.com/watch?v=FvvMj6ECZZk&feature=related

 

アクアポニックス ビデオ オーストラリア

http://www.youtube.com/watch?v=W7wqpR8IiFc&feature=related

 

アクアポニックス ビデオ アメリカ フロリダ

http://www.youtube.com/watch?v=xZj6llLsQyE&feature=related

 

 

http://www.treehugger.com/green-food/aquaponics-grows-up-worldwide-aquaculture-plans-major-facilities.html