鷲の赤子

 

4月から6月末まで、小さな植物園さながらの我が家の庭では、多年草や樹木が息も切らせず次々と花を咲かせるので、植物の世話をしながら一日に何度も庭を歩き回る。

 

2週間前に家のすぐ横にある大木の天辺のあたりで、カラスが何度も騒いだ。よく見ると鷲が一羽とまっていて、カラスがおせっかいにも追い払おうと周りを飛び回って、時にはすれすれまで攻撃を試みていた。そのうちに、加勢に来るカラスもいて、ひどく騒がしくなる。それでも鷲は辛抱強くその木から離れない。

 

数日観察していて、その鷲はまだ赤子で、時々両親が30分に一度くらいやってきて、餌を運んでいることがわかった。カラスはその親にも絡み付こうとし、大声をあげる。鷲のほうが強いはずだが、飛ぶ速さはカラスのほうが少し早いので、カラスは強気である。

 

最初に鷲を見た日から10日もたつと、カラスも諦めたのか、もうやってこなくなった。しかし、鷲の赤子は親がいなくなると赤子の泣き方のような大声をたてる。本で調べると、親はどこかでリス、小鳥、ねずみ、ウサギの子などを取ってくるという。時々裏庭でも低空飛行して狩りをしているらしかった。大きな影がよく通りすぎる。

 

ある日、その鷲の赤子が、小鳥のためにおいてある水飲み皿にやってきて水浴びを始めた。小鳥なら何羽も入りおぼれるくらいの大きな水のみ場が、鷲が入ると腹のところしか浸からず、狭いところで行水といったところであった。あとで行ってみると、ものすごい量の毛が落ちていた。体が大きくなって毛が生え変わり、古いのを落としていったと思われた。

 

そろそろ親と一緒に遠くまで飛べるようになったのか庭の木に居ないことが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真1 花壇の手前に降りてきたところ。望遠レンズ

は思うように使えないので歯がゆい。

 

                         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真2 望遠レンズで晴れた空を背景に木の天辺近くの

鳥を写真を撮ることは非常に難しい。

 

中村省一郎

6-16-2011