原子炉事故は最悪の方向へ展開

 

この前の記事を書いてからまる二日は執筆の時間の余裕がなかった。この間に事態は最悪の方向に転化した。

 

第2号炉の爆発と第4号の爆発である。3月13日までは第2号炉では非常冷却水の注入が成功していて安定していると考えられていた。しかし夜中に非常冷却水のポンプを動かしているエンジンのガソリンが切れていて、それに対応するまで約2時間、非常時冷却水が止まり燃料が露出した。ぜったいにあってはならないこの不注意が第2号炉で起こった爆発の直接の原因である。

 

また第3号炉の爆発も不注意のため非常時冷却水が2時間くらい停止していたことが直接の原因であった。第3号炉には海水が注入されていた。海水取水口は遠くないところにあるはずだから、そこからの海水を注入していたと思われたが、実際にはそうでなくて、プールに貯めてあった海水を注入していた。それでプールの水がなくなり非常時冷却水の注入が止まった結果燃料棒の露出が起こり、第3号炉の爆発の原因となったのである。

 

第4号の爆発が起こった。第4号は地震が起こったときは運転していなかったにもかかわらず爆発が起こったのである。その原因の詳しいことは分かっていないが、冷却水の不足に関係していることは間違いない。前にも書いたように、原子炉は運転停止中でも、核分裂で生じた大量の放射性同位元素の崩壊で5%の熱を出している。外からの電力供給がなく、また緊急発電施設は津波で流されてしまってない状態では、炉を冷やすためにはすでに事故を起こしている炉と同様に水の注入をしなければならない。これをどうしていたのかはわからないが、おそらく海水の注入はしていなかっただろう。しかし、緊急冷却がうまくいっていなかったことだけは確かである。

 

もし仮に海水でもよいから、非常時冷却水がどの炉でもうまく行っていれば、現在のような最悪の事態は避けられたはずである。しかし、予想もされていなかった緊急事態中の混乱の中で、不注意と不手際で、原子炉の最悪事故をくいとめるせっかくの機会も結局失われてしまった。第3号炉の爆発による放射能の上昇で、種々の作業を続けることは不可能であろう。だから、合計6個の原子炉と、さらに使用済み燃料を含めて、冷却をまったく失った状態で今後どうなってゆくかを見守るしかない。

 

中村省一郎 3-16-2011