葡萄の木

 

我が家の庭には10本近くの葡萄の木がある。食べるのが目的ではなく生垣にすることが主な目的であった。というのも、裏庭の駐車場と庭の境にはヒバの木が植わっていたが、背が高くなりすぎて形も悪くなったので全部切り払ったあと、まず6本植えることになった。葡萄は背が高くなるのがが早いし形も面白く実も食べられるという理屈である。一年後、さらに隣家との境目に3本植えた。品種は、コンコルド、カタウバ、デラウェアなどの地元でよくできるありきたりのものであが、市販では買えない葡萄なので、収穫できれば楽しめる。

 

葡萄の木の成長は早く2年後にはどっさり実がなった。ところが、鳥たちは時期をよく心得ていて、もうそろそろかなと思っていると、甘そうな房からみななくなってしまう。だから人間様は鳥の取り忘れた葡萄の粒を時々味わうので満足しなければならなかった。

 

次の年には、葡萄の青いうちに袋をかぶせてみた。完全に袋をかぶせるというのは、蔓が葡萄の房と絡み合っているので容易ではない。それでもずいぶん紙の袋をかぶせたが、その甲斐はなかった。鳥はくちばしで簡単に穴を開け、中身を彼らの思うままに出来たからだ。

 

その次ぎの年(つまり昨年)新しい鳥対策と思いついた。それは古いCDやDVDを枝につるすことである。紐でつるしたCDは風で回転し、そのつどピカッと光り赤や緑色の閃光を放つ。しかも真ん中に穴が開いているのが、鳥にとっては何かの目玉にみえるのだろう、気味悪がって寄り付かなくなった。しかしCDは一本の木に5~8個が必要であり、全部の木にこれだけのCDを吊るすのは手間がかかる。そこで数本だけにして、様子を見ることにしたのだが、駐車場との境のため、ある暑い日に外から帰ってきたとき、車をCDを吊るした葡萄の木に近寄せすぎて駐車してしまった。(車庫はあるが、芝刈機その他の庭の道具を入れておかないといけないので、昭子の車を一台入れたら、私のは入らない。)そのため、CDを吊るした葡萄の木が大部分やけどになり、ごくわずかな葡萄しか収穫できなかった。

 

今年のCDを吊るしつつあるが、日中は日差しがきつすぎて、あまり進んでいない。

 

中村省一郎 (7-13-2011)