Shenzhen (深圳) とはどんなところ?

 

中国製の電子製品には以前から注目していた。中国製の小型カメラや時計も中国からの通販で買ってみたが、しっかりした製品で、一昔前のように安いけれど使い物にならないでゴミ箱に投げ捨てるというようなことはなくなった。いまや、世界のPCはもちろんiPod、携帯電話、アンドロイドを含め、電子機器のほとんどすべては中国で生産されている。

 

これらの製品には製造会社の情報が一切書いてなくなく、それだけからはどこで製造されたかが全然わからない。下請けから始まって発展してきた産業の体質なのかも知れない。しかし、発送先や広告の内容から推測して中国の台湾からは対岸になる関東省あたりで製造されていることが推測された。

 

当地の今朝の新聞の経済欄に「中国の技術会社の上昇」とでも訳せる記事があり、Huaweiという会社のことがかなり詳しく書かれていた。場所はShenzhenであるという。Shenzhenとはどこだろう。10年以上前に買った日本語の地図にはのっていない。それもそのはず、Shenzhenという町は10年前は小さな村で、この10数年でものすごい発展をとげ、現在では発展の速さと規模は世界で1~2を争うという。この町の経済を潤すのが、Huaweiをふくむ電子産業である。

 

グーグルマップ(下図)で見るとShenzhenは香港の北約50Kmに位置している。もちろんマカオからも直線距離では80Kmくらいのところである。新しく急速に発達した町だけに、建物は新しく、また奇抜なデザインも多いようだ。

 

 

 

 

 

 

 

Huaweiという会社の経営の話に戻るが、世界のトップから50位までのテレコム会社の45社に製品を納め、2015年には現在の売り上げを二倍に増やし20ビリオンドルに達することが予想されている。従業員の平均年齢は31歳、半数は研究者であるというのもすごい。

 

アメリカのトップの電子製品メーカーであるシスコやHPと比べると、先端技術ではまだ追いついては居ないが、これらのアメリカの会社はHuaweiを非常に強敵だとみている。この会社の仕事場の大半は、工場というよりは大学の校庭のような雰囲気と場所であるという。

 

なぜ中国の企業はこのように急激に発達するのか。その鍵の一つは、中国にはアメリカで大学院教育を受けた優秀な技術者が他の国に比べて格段に多いことである。中国の大学のレベルは非常に高く、学生は猛烈に勉強する。そして卒業後、優秀な学生はほとんどがアメリカの大学院に来て少なくとも修士、多くは博士号をとる。ほとんどは大学の助手の仕事をし、大学からの給料で留学の費用をまかなう。だから、アメリカの大学院は中国人留学生が居なくなれば潰れること間違いない。

 

またシリコンバレーが栄えた1990年代、技術力の底力になっていたのも中国人技師たちであった。

 

ともかく、この大量のアメリカ留学は何を意味するか。彼らはアメリカで先端の技術を身につけるだけではなく、その開発法を身につけるのである。またアメリカでのビジネスにも親しむであろうし、国際的感覚と理解は留学しない人と比べるとおおきな違いがある。アメリカ大学院の学位保持者の数はアメリカの会社より中国企業のほうがはるかに多いと考えられる。このことが、現在の中国の技術的経済的発展の底力になっていることは間違いない。

 

中村省一郎  10-31-2011