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逆さに根の生えた木

 

昨年挿し木を始めたときには、やり方を色々変えてその効果を学ぶことに力をいれたのだが、材料が豊富にあるレンギョウをその教材とした。レンギョウの枝はもともと長いので、これをいくつかに切り分け、それぞれを挿し木する。10~20cmくらいに切り、枝の下側を土に挿すのが常識である。

 

やっているうちに一つの疑問をいだいた。挿し木の上下を反対に挿したらどうなるか。そこで一本を逆さに挿しておいたら、問題なく根がついた。その木は2年目の今年にはかなり大きくなったが、上下反対になったこの木は生長しても異常である。

 

普通の木では新しい枝を出すとき斜め上に向けて枝を出す。この木では、幹は逆さになっていても、どちらが上下かは、挿し木をする前の方向にしたがっていて改めようとはしない。だから、我々から見ると斜め下向けに枝をだし地面を這う結果となり、この奇形は、木にしてみれば上のほうに出た根を切り捨て、下のほうを挿し木にして根の位置を直さない限り、普通の木には戻らないのである。

 

枝の先から根を生やさせたことは以前にもあった。というのは、孫のケンタが二歳くらいの時にやってきたとき、ベリー類が非常に好きなことがわかったので、翌年の春にラズベリーの苗を窓の下に植えた。成長は早く、夏の終わりには何本かの枝が長くなり、それらがしなって先が土に付きそうになっていた。それで、いたずら心でその先を土に埋めておいたら、2~3週間もすると根がついて、アーチ型の枝はどちらにも根がある結果になった。もし其の枝を途中で切ってしまえば新しく根が生えたほうは、逆さまレンギョウとよく似た状況になったはずだが、其の先は観察できなかった。昭子が変な形のラズベリーを嫌って、根っこから全部抜いて捨ててしまったからである。

 

中村省一郎(7-17-2011)