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格安で美味いビフテキは出来ないか?

 

ステークの美味しさは肉を強い火でさっと焼いた美味しさである。しかし同じステーク用の肉でもリブとかテンダーロイン(ロインやサーロンの奥のほうにある)は柔らかいが、わずかしか取れないので非常に高く、チャックやラウンドの多量にあって安い肉は硬い。ところが、安い肉をかなり柔らかくして美味しくたべる方法があるのである。味は決して悪くない。(とはいえ、田んぼで重労働して年をとった牛の肉で高級ビフテキの味を楽しもうというのは虫がよすぎるから、前もってご理解いただきたい。)

 

肉が硬いのはなぜだろうか。答えはコラーゲンである。これは3本のたんぱく質の繊維がより合わさって出来ていて、筋肉の中で力を支えるのに使われる。だから牛の体の中でも、力のかからない部分の肉、つまりリブやロインにはコラーゲンが少なく、肉は柔らかい。一方、前足の力を支えるチャックや後ろ足の力を支えるラウンドにはコラーゲンが多く、肉は硬くなる。

 

肉を柔らかくするためにはコラーゲンをこまかく切らなければならない。幸い肉の中にはプロテアーゼという酵素があって、コラーゲンを分解する働きがある。

このコラーゲンが最も良く働くのは体温から40Cにかけてである。実際、肉を数時間40Cに保てばコラーゲンはかなり分解されてしまう。

 

これが鍵であって、実際にビフテキの前にこの方法を使えばよいわけであるが、40Cというのは肉の腐りやすい温度であるから、長時間不注意にやると食中毒の原因になるから注意してやらなければならない。

 

ビフテキの前に40Cに保つのは長くて2時間に限りたい。30分、あるいは1時間でも、肉をやわらかくする効果が非常にある。

 

ただし、肉を1~2時間40Cに保つというのは意外と困難である。問題は40Cという場所を見つけることである。夏なら窓際、冬なら暖房のそばなどに煮付けやすいであろうが、温度計で確かめたほうがよい。また冷蔵庫から出した肉は、たとえ40Cの場所においても、中が40Cになるには相当の時間がかかるから、肉が1~2時間40Cで保たれるためには、肉の中心にも温度計を差し込んで、時間を調整する必要がある。

 

40Cで1~2時間というのに成功するには、なれるまでは苦労があるが、安い肉が美味いビフテキになるないのだから楽しい苦労といえる。

 

 

 

 

 

 

retail beef cuts