ビデオによる天気図の解説           中村省一郎(9・26・2011)

アメリカの天気図には2種類あり、その一つは普通のテレビ局では日本のと同じで、地図の上に等高線で天気の様子を示したもので、 もう一つは雨雲のレーダー観測の結果を地図の上に表したもので、これは天気図専門に毎日24時間放送しているテレビ局で常時みられます。

次のビデオ(テレビをFlipビデオカメラで写した)は先週の水曜日の天気図で、3時間前から5分前までの雨雲の分布を動画で示しています。都市(コロンバス)の周辺、週の半分くらいの地域、5州くらいの地域、全米地域などの動画が約30秒ずつ写されます。

この動画では、全米にわたり2個の緑の帯が斜めに北東に向かい動いているのが分ります。左側の帯(ロッキー山脈の東あたり)は太平洋から上陸し、アメリカ中央部を斜めに横切り、カナダとの境で渦になっています。

もう一つは東部海岸付近を北上していますが、これはこの画面の数日前は、テキサスからアルケンソー、ミゾーリ、イリノイを抜けていましたが、その後帯状の雲は東に動き、オハイオにも雨をふらせ、 その後どんどん東へ移動して、動画に見るような位置に来ました。

この雨の帯はテキサスの旱魃に終始をもたらせる大雨で、また東海岸にも洪水で大きな害ををもたらしました。(その2日後日本でも被害の大きい大雨がありました。)

緑の帯がテキサスから上陸し、大陸を斜めに横断するというのは、よく起こるパターンです。時には直角に北上することもあります。たいていは、数日かけて東へ移動し、大西洋に抜けてゆきます。帯の中ではかなり早い速度で、北東に流れているのです。アメリカには多数の竜巻が一度に起こることがよくありますが、そのほとんどは真夏このようなパターンが発生したときに起こっています。

このパターンの緑の帯は温度変化の前線でもあるため、風も強くなりがちです。その温度変化の差は、メキシコ湾から上陸してからの時間と距離が増すほど減衰するため、風害とか竜巻はメキシコ湾からまっすぐ北上しているときが最も被害が大きく、オクラホマ、アルケンソー、ミゾリ、イリノイまで竜巻がいっせいに起こることがあります。オハイオを通るときは数日後なので、時間がたっておりオハイオでは竜巻はほとんど起こらないのです。しかし、そんなときでも走行距離が長くないため、テンシー、ジョージアなどで竜巻はよく起こっています。 このような天気図は局所的にも非常に役立つのです。たとえば、コロンバス周辺の雲の様子をみていると、5分10分後の雨の様子を予測できます。たとえば、もうすぐに雨が降り出すとか止むとか。

次の動画は今朝写したものです。今日は雨です。緑の帯はさほど長くないですが、面白いのは北上して、ミシガン湖の上あたりで反時計回りの渦を作りかけていることです。これは緑の帯とともに流れる空気の温度が高く、ミシガン湖の上あたりで上昇していることがわかります。上昇気流のあるところでは、コリオリの原理により左回りの渦が出来ます。海上で大規模に起こると台風になるのと似ています。

日本でもこんなレーダーの動画があると、天気の変わり方がよく理解できてよいのにとおもいます。