共和党大会の最終日

 

共和党大会3日目は大統領候補の指名を受けたロムニーの演説に先立ち何人かの演説があり、特別出演のハリウッドのコメヂアンであるイーストウッドの一人芝居に続き、最後にロムニーの演説となった。

 

イーストウッドの一人芝居というのは、そばに置いた空のいすにオバマ大統領が座っているという仮定で、イーストウッドが大統領に直接文句をいうという形で進められた。「あなたの大統領選挙の演説では多数の人が涙を流して感激したものだったが、3年半たった今もその公約は果たされていないばかりか、何十億人という国民が失業したままだ。あなたはイラク戦争は終結に導いたが、アフガン戦争は続けても良いと思ったようだ。明日にも兵士を全部帰国させたらどうか。そもそも弁護士出身のものが大統領になるのがよくない。これはこうだ、これはこうだとあらゆることを秤にかけてみて議論はするが結局実行が伴わない。なに、黙れだって?・・・この国はあなたの持ち物ではなく私たちのものだ。あなたは我々に雇われている。仕事が期待に沿わないときは首にするのが当然。飛行機は使っていても良い。しかし大型でガソリンを食うので、小型のにして、・・・」等々オバマ大統領に文句がましい人の意見を煮詰めたようなことを語りかけたのである。この一人劇を聞いて怒ったオバマ支持者も多いし、不謹慎な発言であったという意見が多い。

 

ロムニーの演説では自分の幼少の時代からの歴史を語り、家庭、モルモン教会で司教をした経験、いかに多くの会社の経営を好転させたかを語ったあと、事業で成功した経験がアメリカの経済を好転させることに役立つことを強調した。しかし、どのような方法で経済を好転させようとするのかの具体策には一切ふれなかったし、また外交政策では軍備拡張によりプーチンの口をふさぎ、中国の為替レート切り上げに圧力をかける。一方、アフガニスタン、イラン、イラクなど進行中の国際問題には一切触れなかった。国内問題である教育改革、健康保険、危険な額に膨れ上がっている政府の負債などの国内問題への具体的な見通しについても一言もふれなかった。ただ最後に、油田や石炭使用に関する規制を大幅に緩めビジネスを助けることを約束した(自動車の燃料効率を上げる義務付けような規制の廃止、風力や太陽発電に対する補助金の廃止)。

 

中村省一郎 8-31-2012