晩夏

 

あれほど暑かった夏も8月に入ると朝夕は10Cくらいに下がるようになり、長袖が必要になった。秋の早い年では9月にはいると霜の心配が出てくる。でも近年は10月にならないと霜になったことはない。

 

オハイオより西方と南方の州では旱魃はいまだに深刻であるが、ある日のテレビのニュースで「旱魃にも利点がある。それは果物が例年よりはるかに甘いことだ」といい、テキサス州での桃の収穫を紹介していた。桃は8月になればスーパーで大量に売り出すが、あまりうまいのに当たったことがない。しかしこの放送を聴いてから、だまされたつもりで数個買ってきたのだが、非常に甘みが強くうまかった。

 

庭の葡萄は例年ならばたいていは鳥に食べられてしまうが、なにか良い方法がないかインターネットで調べたら、ピカピカ光るテープを多数吊り下げたらよいというのでやってみた。太陽の光を反射してピカピカ光ると鳥がいやがり近付かないようだ。例年なら9月にならないと葡萄は色付いてこないのに、今年は雨が少なく温度が高かったせいか8月に入ると、葡萄は紫の色が濃くなった。そして非常に甘い。テープのおかげで、鳥はほとんど食べに来ないから、食べきれない量の葡萄が木にぶら下がっている。

 

山芋は毎年植えつける。種芋を土に埋めただけでは、山芋は非常に深いところに芋を作り掘りだせない。それを解決する方法として、ビニールのシートを埋めその上に種芋を置いて土をかぶせておけば、山芋はビニールシートの上で実ることを学んだのは5~6年前であった。しかし、これを傾斜のある土地でやると非常に収率が高くなることを2年ほどまえに発見し、植える場所を坂のある場所に変えた。8月半ばともなれば白い花が咲き、実はならないがその横にむかごが出来始める。今年も白い花が咲き始めたが特に注意を払わなかった。しかし数日前よく観察してみると、なにか緑色の実のようなものがなっているのに気が付いた。さらによく見ると烏瓜くらいの実がいっぱいなっていた。そこでどの蔓になっているかを調べたところ、山芋とはまったく関係のない雑草のつるに実がなっているのであった。

 

この曲者の蔓は、蔓の形も葉も本物の山芋とは一軒見分けがつかないくらい似ている。花の色も同じなので、長い間だまされていた。しかし、よくみてみれば蔓の太さと枝の形が少し異なる。それを頼りに時間をかけて、曲者の蔓を何箇所かで切断した。したたかな植物である。

 

中村省一郎  8-25-2012