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サンフランシスコ平和条約と竹島

 

竹島は日本に属するとは一言も触れていない。サンフランシスコ平和条約では、済州島、巨文島、鬱陵島は韓国に帰属すると書いているが、竹島に関しては韓国に属するとも日本に属するとも書いていないのである。

 

では何が根拠で日本が竹島の所有を主張しているかというと、サンフランシスコ平和条約締結以前に当時のアメリカの国務次官であったラスク氏から韓国に当てた「..残念ながら竹島は貴国ではなく日本に属する。」という短い覚書にもとずいている。このことは外務省の英語で書いているウェブサイトからも明らかになる。

 

サンフランシスコ平和条約の草稿はアメリカによって行われ18回書き直された。第1回から5回目までの草稿では済州島、巨文島、鬱陵島はもちろん竹島も韓国に属することが明記されていた。6、8、9、14稿では、逆に竹島は日本に属すると書き換えられた。しかし、10,11,12、15,16,17,18稿および最終文では、竹島に関してまったく触れなくなった。

 

サンフランシスコ平和条約の起稿は1947年に始まり、1951年9月に調印され、さらに1952年4月に実行された。この間に米ソの冷戦は激しくなり、朝鮮戦争は1950年に始まった。もともと米国はサンフランシスコ平和条約は日本を中立化させるのに役立てることを主な目的とした。しかし、サンフランシスコ平和条約直後日本と安保条約を結ぶことが急務となってきた。ソ連との戦いになれば竹島はレーダー基地になる。しかしこれが韓国の所有であれば、ソ連に占領されたときは使えなくなる。このような思惑から、マーカーサーはサンフランシスコ平和条約を草稿している国務省に竹島は日本の所有として残すべきであることを主張し、第6稿では竹島は日本に属することが明記される結果となった。この書き換えに際し、先にも書いたようにラスクから韓国政府に覚書が送られた。

 

この変更にはイギリス、カナダ、ニュージーランドが強く反対し、その結果米国務省ではサンフランシスコ平和条約で竹島問題に触れないで問題をあいまいにしてしまった。現在アメリカ政府は、日韓両国に対して冷静になってくれとしか言わないのである。

 

参考文献

The Truth About the Japan Peace Treaty and Dokdo

 

中村省一郎  9-14-2012