家伝トマトの種

 

我が家の家庭菜園に今年も沢山のトマトが生った。

 

毎年種の入手にはかなりの努力をしてきた。というのは、種屋の種は1990年ころから、遺伝子変換によるらしく、以前と同じ名前のトマトの種を買っても、皮と肉が硬く、外側が真っ赤に熟したようでも中に青いところがあることがよくあり、昔の味がなくなった。これはおそらくトマトの生産地から消費地へ輸送する間に潰れず、また棚もちの長いトマトを生産するために、種業界全般でトマトの遺伝子変換による改良(悪)を行った影響であると信じている。

 

このため、トマトの種を買うよりは、農家が道端で売っているトマトを買い、その味がよければ種をのこして、次の年に使うというやり方をしてきた。しかし、昨年は年末に手工芸品博覧会に行ったときに家伝トマトの種というのを売っていたのでそれを買い、今年のトマトを育てたのである。これは大当たりであった。巨大なトマトで、味も最高、これまで植えたどのトマトよりも味がよい。このトマトは毎日沢山食べても飽きないのだが、収量も多く食べきれない。

(手前は少し小粒のトマトで収穫が一月早い、後ろは普通の桃)

 

話は変わるが、コロンバスという土地はトマトに所縁が深い。もともとトマトは、ジャガイモと同じように、南米のアンデスの麓が原産であった(トマトとジャガイモはかなり近い親類で、お互いに接木が可能)。16世紀に南米を征服したスペイン人とポルトガル人がトマトをスペインに持ち帰り、その後少しずつヨーロッパに広がった。北アメリカに入ってきたのは19世紀初期で、最初はトマトは毒と信じる人が多かった。しかも当時はトマトは、さくらんぼくらいの大きさしかなかった。それを改良して現在の大きさに改良されたのは19世紀の後半になってからで、大きな貢献をしたのがコロンバスの中心から15Kmくらい東に農場を持っていたリビングストンという人である。

 

今もリビングストン種会社の経営がそこを中心に行われていて、リビングストン農場のある町では毎年トマト祭りが開かれる。

 

脱線のついでだが、アメリカの最も大きい種屋の名前はバーピー種会社。バーピーの種も時々買うが、リビングストンの種に比べると半分くらいしか入っていなくて、値段は倍くらい高い。私の娘の家族の家族名もバーピーで、遠遠に当たるので、あまり悪口は結わないほうがよいかも知れない。

 

中村省一郎  8-23-2013