ミクロ、ナノロボット

 

十数年前。日経サイエンスからの依頼で巻頭文を書いたことがあった。内容はナノサイエンスの将来についてで ナノスケールのロボットが血液の中に放たれ、それが腫瘍にかかった血球を治療あるいは殺したり、臓器の腫瘍を集中的に治療する時代が来るであろう、という意味の予言を書いた。当時の読者には何をばかな、漫画みたいなことをと笑う人もいた。私自身、ナノロボットの機能自体が開発できることは疑わなかったが、動力の供給をどうするかが最も困難な問題と考えていた。

 

そのときまでアイソマーズの皆様とは何十年も音信不通であったが、その雑誌が出版されて間もなく武山さんからおー、そこにいたのか、記事を読んだ、という内容の手紙がきて交信がはじまり、2011年の奈良でのアイソマーズ総会に出席ということになった。

 

最近のナノ技術の発展のレポートを見ていると、ナノロボットの動力源の問題は磁波を使うことで解決されそのときの予言はすっかり達成されていて、私の予言には間違いがなかったことが証明されている。

 

実はこのようなことをここで書くのは、数日前アメリカのPBS放送の番組のNOVA科学シリーズで、Making Stuff Smallerという一時間番組で、ナノ技術の医学的応用の例が幾つも詳しく紹介されたからである。ミクロスケールのロボットが眼球の根元の血管内の血液凝結を治療する様子も詳しくビデオで写されたし、またナノロボットが、腫瘍細胞の周りに集結して細胞を破壊する様子も紹介された。

 

またグラファイトを千枚剥ぎのように剥がして、炭素原子一個の厚さのグラファイトに簡単な方法ですることが出来ることを見せている。この究極に薄いグラファイトから電子回路を作るという。シリコンでは出来ない技術である。(ここで思ったのだが、なぜシリコンはグラファイトのような構造の結晶が出来ないのだろうか)

 

アイソマーズメンバーでこのビデオに興味のある方はお知らせくだされは、コピーを送ります。

 

中村省一郎  8-24-2013