大砂嵐とアメリカの涼しい夏

 

例年ならものすごく暑くなるオハイオの7月は、今年は非常に涼しい。朝早く庭に出ると気温は10Cくらいに下がっていて、長袖のシャツと上着が必要である。今年は雨が多いのも特徴で、我が家の裏庭の花壇と菜園は自動灌漑しているが、雨が多いため7月に入ってからは元栓をしめたままである。アメリカ全土を見ても、西部西北部を除くと同じ傾向であり、特に東海岸沿いでは雨が多すぎて洪水が起きているところが多い。またカリブ海やメキシコ湾で発生する台風の数が極度に少ない。

 

これは何か理由があるに違いないと思っていたら、昨日CNNのニュースでほんの20秒くらいの短い説明であったのだが、サハラ砂嵐が原因で、今年の夏はずっと涼しくなるということで、サテライトからの映像で砂雲が大きな渦をまきながら大西洋を西向きに渡ってくる様子が写されていた。

 

サハラ砂嵐というのはサハラ砂漠から巻き上げられる砂嵐のことであるが、広義にはアラビア半島やアフリカ大陸で起こる砂嵐も含まれていることがある。また大きな砂嵐は中国大陸と蒙古でも起こり、これは日本にもさらには太平洋を渡ってアメリカにも影響を及ぼしているという。中国大陸と蒙古で起こる砂嵐はジェット気流にのって東へ渡るのに対し、サハラ砂嵐は西向きに大西洋を横断するところが異なる。サハラ砂嵐が大西洋を横断すると、太陽の光がさえぎられて海水の温度上昇が少なくなり、台風が少なくなる。

 

この影響は台風の影響を直接受けないアメリカ大陸の内部にもおこる。つまりメキシコ湾からの温度の高い空気の流入が少なくなると、カナダからの温度の低い空気が北からはいって来やすくなり、これが気温を下げ雨を多く降らせる結果となる。

 

大砂嵐が日本の相撲界を荒らすというのは豪快だが、サハラ砂嵐はアメリカの気候にも大きなありがたい影響を与えているのである。ただし南部では雨が多すぎて、野菜の収穫が出来ないところが出てきていて、野菜の値段が上がることが懸念されている。

 

話が少し変わるが、ブラジルの熱帯林アマゾンの肥料はサハラ砂嵐が供給している。サハラ砂漠は太古には海底にあったので、貝類の殻が堆積して石灰岩となったのが隆起し、風化のため細かい砂となった。このため砂嵐で吹き上げられる細かい砂には燐酸が多く含まれていて、これがアマゾン領域に落ちて肥料になっており、これがなければブラジルの熱帯林は肥料不足手枯渇しているはずだという。

 

砂嵐写真とビデオリンク

Saharan Dust Cloud Travels Across Atlantic

 

http://www.discoveryuk.com/web/wildest-africa/videos/?video=wildest-africa-saharan-sand-storms

 

http://www.bbc.co.uk/learningzone/clips/sahara-sand-storms/14173.html

http://www.youtube.com/watch?v=z-wome_IEv8

 

サハラ砂嵐の写真リンク

サハラ砂嵐の写真リンク2

 

中村省一郎   8-1-2-13