わさび漬けの試み 1

 

わさび漬けは大好物の一つなのだが当地では手に入らない。昭子が年に数度東京に行った折に土産に買ってくるのが唯一のチャンスである。ところがおかしなもので、最近わさび漬けを自分で試みる機運が急に高まったのである。

 

それにはいくつかの要素があって、(1)作る方法、(2)わさび、(3)酒粕が主なものである。(1)はグーグルで日本語検索するとわさび漬けの方法は数個出てきて、みな同じようなものであるから間違いないと思われる。

 

わさび入手が一番の難関であると思われたが、次のような状況にある。最近アメリカでもわさびに対する認識が高まり、オレゴン州で栽培されていて郵送販売で手に入る。ただし値段は高く、一本70ドル。葉がついてるかどうかは分からない。しかし、最初はもっと安い方法がある。それはホースラデッシュを使うことである。ホースラデッシュはアメリカではビーフステークに添えて食べる根菜であるが、その辛味はわさびに似ている。実際、粉わさびというのはホースラデッシュを乾燥したものに緑の着色をして粉にしたものである。市販のホースラデッシュは根だけで、葉は付いていないので、自分で栽培しないとならない。

 

ホースラデッシュは何年か前に庭に植えて失敗に終わった経験があったが、最近非常に元気な苗があるというので、郵送で買ったら大きな根っこで、植えたらたちまち葉が出てきた。それを味見すると、わさびの葉と非常に似ている。これなら使えるかも知れないと考えた。

 

(3)の酒粕は問題で、日本ではなんでもないようなものがこちらでは手に入らない。そこで焼酎作りで手なれた日本酒作りから始めることにした。米を蒸し麹菌をまぜる。3日たって真っ白い麹が出来たら、ご飯と水、さらにイーストを加え発酵をはじめる。夏だから約10日で発酵は終了する。そこで酒を搾り取った残りが酒粕である。

 

昨日麹つくりを始めたところなので十数日しないと酒粕はできないが、作業をしているうちに、こんな面倒なわさび漬け作りを試みる馬鹿は他にはいないだろうと思うと可笑しくなって吹き出してしまった。

 

中村省一郎  (6-15-2013)