2.  近年のアメリカの傾向と対策

 

アメリカの中産階級の数が2000年以来急激に減少したといわれる。これはおそらく製造業の衰退に関係しているとかんがえられる。2000年以前の製造業で働いていた工員たちは、強力な労働組合を盾にひつこいストライキをおこない、高い給料をとって、郊外の一軒建ての家に住み2台の車を持っていた。だから、彼らは中産階級として扱われていたのである。ところが、外国、特に中国で破格の低価でほとんどのものを生産するようになってから、経営者は厄介な国内生産をするよりは中国に生産を外注するほうが良いことをまなび、多数の工場を閉鎖してしまった。当然、工員たちは職を失い中産階級の生活から脱落していった。

 

中産階級の減少は地方行政にもおおきな影響をもたらしている。地方行政の税収入が減ったうえ、社会福祉に頼って生活している人の数が、現在やく30%いて、社会福祉金は地方行政が負担するためである。デトロイトのように破産に追い込まれた都市もある。地方行政が破産になると、そこで働いたひとの退職金はでなくなるから悲惨である。連邦政府は、前にも書いたようにドルがリザーブ通貨であるおかげで、いくらでも印刷できるから、アメリカの最後の破綻がくるまでは破産することはないのである。

 

しかし製造業の衰退の傾向は数年前から徐々に逆戻りをしはじめてえいる。その理由は、中国製の品質が悪いことと生産コストも以前ほど安くなくなったことが理由である。

 

都市の構造にも変化がおきている。アメリカのどこの都市の中心部でも、20世紀後半にひどい衰退がおこって汚くなった。しかし、2000年以降都市の中心に住む便利さと利点がみなおされ、アパートやコンドがふえはじめ、見違えるように整然としてきた。

郊外の一軒屋にすむより車のガソリン代がはるかに少なくなるうえ、芝生の手入れの費用と手間がは省けるのも大きな利点である。それに、人口密度の高い町中に住むこと自体郊外にはない楽しみもある。

 

最後に、もっとも大きな傾向として、貧富の差が急激に増加していることを指摘しなければならない。アメリカの全収入の50%は1%の人口が受け取り、のこりの50%を99%の人口が分けているという。なぜこのような不均衡が起こるかというと、第一は非常に給料の高い一握りの職業がある。野球選手、大学フットボールのコーチ、会社の社長と少数の役員、大学の学長、TV局のアンカーアナウンサーなどがふくまれる。第二のグループは、ハイテックに乗ってとんでもない富を築いた人たち、たとえばマイクロソフトのビルゲイツ、トイッタ、グーグル、ユーチュブ、フェイスブックなどの創始者たち。その他石油や天然ガス採掘で富を築いた人たちである。

 

そこで疑問がおこる。上のような特技や機会を持たない一般市民には、大きな富を持つことは絶対にできないのであろうか。その答えは意外と「有り」で、方法は株式市場である。損の危険なく比較的短い年月で100万ドル以上かせぐことも可能で、歳を取ったものにも若い者にも朗報である。(注)

 

中村省一郎 4・13・2014

 

 

(注)詳細〔日本語〕は筆者が現在執筆中の英語の原稿とかさなるので著作権保護の

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