平成261020

西 村 三千男

連載「余談・ドイツ化学史の旅・パート4

9回 図らずも「ベルリン芸術大学」を瞥見した

 

ベルリン芸術大学(Universität der Künste Berlin) 、世界の音楽大学の名門である。伊藤一男さんのお孫さんは東京藝大から推薦されて、同大の音楽部へピアノ留学が決まっている・・・そのベルリン芸大のロケーションは、旅の第2日目の訪問先への往訪コースの途中にある・・・と条件が整った。伊藤さんご夫妻に同道して旅仲間全員で図らずもそのキャンパスを瞥見した。

この日(6/17)は旧カイザー・ヴィルヘルム協会・KWG(現マックス・プランク協会・MPG)の研究所群を探訪した。ベルリン南西部のダーレム地区にある。宿泊ホテルのS-バーン最寄り駅(HackescherMarkt)から、U9U3を乗り継いでダーレム地区のThielplatz駅へ行く少々複雑なコースである。誰かが途中でグループから迷子になっても独力で帰れるようにと、木下さんが気配りしてくれた。駅の自動券売機で一人一人が、木下さんに指導されながら自分で乗車券を購入する実習訓練。それもこれも旅の楽しみの一つだと(こな)して、目的地へ到着した。第4回に述べたように、アポイント無しで訪問したフリッツ・ハーバー研究所(FHI)及びその他研究所の見学は、親切なフリードリッヒ教授の丁寧な応接で充分堪能した。

その後、ベルリン自由大学の食堂(MENSA)でランチを済ませ、帰途についた。朝来たコースを逆行して、U3U9の乗換え駅に来たところで、伊藤さんが「近々孫娘が留学するベルリン芸術大学がこの駅近くに在る。我々夫婦は此処で途中下車して、ちょっと覗いてみる」と云われた。西村が「私も興味があるので一緒に行きたい」と言い出したら、周囲の皆が「我も、我も」となって結局、旅仲間全員でゾロゾロ同行することになった。伊藤さんは内心では個別行動したかったのに、西村が邪魔をしたのかも知れない。U-バーンの駅から外に出たが、瞬間どちらへ向かえばよいのか見当もつかない。お孫さんの留学先は音楽部であるが、芸大には他に美術部、建築部、演劇部などがあって、それぞれに校舎も分かれているに違いない。当惑しているところへ、日本人らしい若い女性が通りかかったので、問いかけてみた。彼女はベルリン芸大の美術部?へ入学志望者で、現地に来て入試準備している・・・と云う。「音楽部は何処?」と聞いたら、快く目的地へ案内してくれた。伊藤さんは我々外野がいなければ、彼女にもっといろいろ尋ねたかっただろうと後で反省した。

音楽部のエントランスホールで暫時うろついてみたが、内部を見学するキッカケが無い。そこへ、また別の日本人女学生(留学生)が慌ただしく駆け込んできた。弦楽器?のレッスンが間もなく始まるのだ・・・と言う。「時間があれば、皆さんをキャンパス内部へ案内出来たのですが・・・」と残念がって別れた。

    (つづく)

 

写真@ 伊藤さん撮影 ベルリン芸大音楽部エントランス (image178.jpg)

 

写真A 伊藤さん撮影 ベルリン芸大音楽部校舎 (image179.jpg)