サテライトビデオによる気象分析

 

北米ではこの冬は次々にやってくる大寒波と大雪に悩まされ続けている。雪の多さは近年にも例がなく、10月末から雪が消えたことがほとんどない。このような異常気象は五大湖の北に中心を置くおおきな半時計周りの渦が北極の冷気を持ち込むことが原因である。寒さと雪のため、多くの州で学校が何日も休みとなり、経済にも影響が出始めている。大雪による空の便の混乱は大きく、各地で大規模の停電が起こっている。雪に慣れていない南部の州では、雪の予報にあわてて自宅に帰ろうとした人たちの車のためにフリーウェイの渋滞が起こり、アトランタでは24時間以上、フリーウェイが完全に停止した。

 

ヨーロッパの気象は2ヶ月以上にわたって観察しつずけてきたが、たとばハンガリーやオーストリアではおだやかな冬で、北米のような厳しく上下の激しい気温変化はみられない。

 

今日(サテライト写真ビデオサイトという見出しで)サテライトビデオを見られるようにしたが、世界全体に広げてみていると、次のようなことが観察できた。(世界全体の気象:

合成ビデオ。残念ながら北米大陸でのビデオの動きが鈍い)

 

北米の渦も出ているが、ヨーロッパにもはっきりとした渦が見られる。これはノールウェイとグリーンランドを結ぶ中間あたりに、グリーンランドとヨーロッパにまたがる大きな渦の中心があり、ヨーロッパには大西洋に空気が東向きに入っており、北へ曲がってハンガリーやオーストリアを通っている。このためにヨーロッパ全体に穏やかな冬になっている。

 

サテライトビデオを拡大してさらに注意深く観察してみると、グリーンランドとヨーロッパにまたがる渦は、その影響が北米大陸にも及んでいて、カナダの東北部に冷たい空気を吹き込んでいることがわかった。その流れが、北米の渦の原因となり、北米大陸に冷気を送り込んでる。カナダ北方とヨーロッパは平面に開いた地図では距離は大きいが、北極に近ずくほど実際の距離は小さくなるのである。

 

ヨーロッパ、グリーンランド、北米大陸にまたがってなぜ渦ができるのか。もともと大西洋の北方は海水の温度が高い。ヨーロッパの気温が緯度が北なのにもかかわらず比較的温暖なのはそのためである。しかし海水の温度が地球温暖化などの理由により平素より高くなると、それだけ暖められた空気の上昇が増し、低気圧の傾向が高まるであろう。低気圧は半時計周りの大気渦を生ずる。

 

日本もここ数日大雪が伝えられているが、このビデオで見ると大陸からの空気の流れに大きく影響されていることがわかる。しかし大きな渦に巻込まれているのではないことが明らかだ。

 

中村省一郎  1-9-2014 (改定1-10-2014)