竜巻の意味

 

西村さんの「10回 デュッセルドルフ地方を襲った竜巻June 9. 2014」の竜巻をもう少し詳しく知りたいと思い、インターネットで検索した結果、6月9日はフランス、ベルギー、ドイツにかけて強風があり多くの倒木や被害があったという記事が数個みつかった。この強風の原因はスペインから北上してきた熱風によるもので、それが温度の低い大気にぶっつかって上昇気流にかわる、そうすると上空の空気がおおきな回転をはじめる。直径10−20Kmにもわたるこのような回転性の雲をスーパーセルとよぶ。Tornadoはスーパーセルの中心部に直径数十メートルくらいの、極度に速度の速い旋風の柱ができ、地上のものを吸い込んで上空に掘り投げる回転速度を持つ暴風である。直径が大きいときは1kmに及ぶこともあるが、暴威を振るうTornadoでもたいてい直径は20〜30メートルである。しかしスーパーセルが出来たから必ずTornadoが出来るとはかぎらない。

 

さて日本語の竜巻という言葉の定義を正確に知らなくてはならないと思い、インターネットで検索したのだが、漫画本のタイトルや演劇グループの名前などばかりで、日本語のウィキペデイアでさえ、その気象学的意味をまじめには書いていない。まれにある説明では暴風、旋風という言葉がつかわれている。暴風には回転するものと線形な風との2種類がある。Tornadoは暴風の一種であるが、回転がともない、旋風である。線形に動く風はTornadoではない。

 

さて「第10回 デュッセルドルフ地方を襲った竜巻」に戻るが、インターネットの記事ではスーパーセルの出来る強風であったとは書いてあるが、Tornadoが出来たとはかいてないのである。Tornadoの被害というの非常に局所的で、おおくのばあい数十メートルの幅の帯状に樹木建築物を破壊してゆく。犠牲者もおおくでるし、また鉄筋コンクリートのビルでさえ窓がぜんぶなくなったりビルの中身が全部吹き飛ばされることさえある。Tornadonoによる被害がおこったら、その被害は局所的ではあるが桁違いにひどいので普通インターネットは写真入でTornadoの被害に集中して報道するのが常である。

 

これまで筆者は竜巻=Tornadoと解釈していたのだが、このように見てくると、竜巻というのは手に負えぬような強風を意味していて、スーパーセルが出来るような強風の気象条件を意味するのかも知れず、竜巻=Tornadoと考えるのは間違っているのかも知れないと思った。

 

注: 大気が流れるのが風だが、線形運動量と回転運動量の両方をもっている。どちらも一定を保つ性質がある。回転運動量は厄介な性質を持っており、狭いところを通ろうとすると回転半径がせばまるので、回転運動量一定を保つためには、回転速度ば増す。Tornadoは非常に半径の狭いところをぬけて空気が上昇する現象で、Tornadoの中心では莫大な回転運動を生じる。

 

中村省一郎  10−22−2014