平成27810

西 村 三千男

 

連載「余談・ドイツ化学史の旅・番外編」

 

4回 ロンドン・ヒースロー空港の顧客「不」満足度 〜 (2)放置されたスーツケース

 

この日はグループの結団の日。ホテルにチェックインしておくだけで集合の約束はしていなかった。あとの予定がないので、長蛇の列の中で苛々しないように自制して「忍の一字」をきめこんだ。延々と待って入国審査官のところへたどり着き、簡単なQ&Aで通過し、Baggage Claimへ。

 

そこには誰も(旅客も係員も)いなくて、数個の(多分4~5人分の)スーツケースがポツンと置かれていた。Germanwings便A320に同乗したほぼ満席の乗客の大半は、優遇パスポートに分類されたのであろう。それぞれのスーツケースを持ってとっくに立ち去った後であった。私も無人のBaggage Claimから黙って自分のものを取り出して税関ゾーンへ移動した。スーツケースの紛失事故やスーツケースの中味荒らしが発生するといわれるヒースロー空港のBaggage Claimは斯くも無防備であった。

 

(つづく)