平成27917日修正

西 村 三千男

 

連載「余談・ドイツ化学史の旅・番外編」

 

9回 オイスターカード(ロンドン交通局ICカード)

 

ロンドン市内の地下鉄、バスの運賃は「オイスターカード(Oyster Card)」で支払うのが便利である。Oyster Cardとは日本で日常的に親しんでいるSuica(JR), ICOCA(JR西)PASMO(関東私鉄連合) などと類似の「交通ICカード」である。

 

ロンドンの公共交通機関の運賃は日本や諸外国と比較して突出して高い。地下鉄やバスの初乗り運賃がザクッといって¥1,000.程度である。これをOyster Cardで支払えば大幅に割り引きされる。また運賃がピーク時間帯とオフピーク時間帯で異なるなどルールが煩雑であるが、カードで支払えばルールを気にしないで済む。

 

グループ集合日(67)、ヒースロー空港に着いて、入国審査後ピカデリー地下鉄駅へ直行した。Oyster Cardを購入するべく有人の出札窓口を探した。ガイドブックにOyster Cardを購入するのは有人窓口の方が容易だと書いてあった。日曜日の夕刻であったが、空いている有人窓口は直ぐに見つかった。£50紙幣を差し出して「Oyster Card 2枚、各£20チャージ」と注文した。カードのdepositが£3.0だから、カード2枚とお釣り£4.0が戻ると期待したが、お釣りは出なかった。レシートをチェックすると、deposit1枚£5.0であって、合計£50ピッタリであった。そして、数日後ロンドン出発に際してOyster Cardの払い戻しでdeposit1枚£5.0で精算された。念のためOyster Cardのホームページをチェックすると、今もdepositは£3.0と表記されている。「???」

 

Suicaに代表される非接触型「交通ICカード」は2000年以降、日本で、そしてそれに追随するかのように東アジア諸国でも急速jに普及した。その一方で、理由は知らないが,ヨーロッパ諸国では普及が遅々として進まない。Siemens(ドイツ)Philips(オランダ)などその傘下に有力なIC技術を有する企業グループを擁しているにもかかわらずドイツ、オランダでは「交通ICカード」は未だ本格実用化されないのである。

東京に住んでいるドイツ人の友人は「Warum nicht ?」と残念がる。

 

(つづく)