平成271015

西 村 三千男

 

連載「余談・ドイツ化学史の旅・番外編」

 

12回 アレキサンダー・ウイリアム・ウイリアムソン教授ご夫妻を顕彰する会

 

幕末に英国へ密航、留学した「長州ファイブ」と「薩摩スチューデント19」はユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)化学科のアレキサンダー・ウイリアム・ウイリアムソン教授に師事した。ウイリアムソン教授は、長期にわたり、多数の日本人留学生に「国境を越えた無償の人間愛」を傾注された。その陰徳が広く知られるようになり、UCLの幹部にも認知されて、UCL本館中庭に「日本人留学生記念碑」が建立(1993)された。日本側には浄土真宗正行寺(福岡県筑紫野市)の働きがあった。

前回の末尾に述べた「ウイリアムソン先生ご夫妻顕彰碑」を建立したのは、今回の表題「ウイリアムソン先生ご夫妻顕彰会」の事業のひとつであった。福岡正行寺に有縁の人々が集って、この会が発足したのは20121月。それを遡ること約30年、ロンドンの南西郊外、ブルックウッド墓地に日本人4藩士の墓碑を発見したギリシア正教会の修道士がロンドンの日本領事館に報告したのは198311月であった。その約30年間に、日英の多くの人々の善意がつながって日英親善交流を深めていった。前回紹介した古賀節子氏の新著書では下記の日本人3氏の格別な貢献が詳述されている。

 

大庭定男氏(p.23) 1925年生まれ、戦中、戦後に在外経験が豊富)1980年代当時ロンドンに在住のビジネスコンサルタント。長年にわたり、ロンドン日本人クラブへ奉仕活動した。ブルックウッド墓地で再発見された日本人の墓の保全活動にも携わった。

戸田健二氏(p.69) (1969 九州大学農芸化学科卒)1988年薬品会社ロンドン支店長として赴任(エーザイ()常務と推定:西村)。氏は福岡正行寺の門徒であり、ビジネスでユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の総長、副総長ら幹部と交流する中で、UCL/在ロンドン仏教界/福岡正行寺の連帯の絆が醸成された。

佐藤顕明師(p.70) :(1940?生まれ、京大哲学科卒)1993年正行寺からロンドンへ派遣。翌1994年、正行寺のロンドン分院、「三輪精舎(Three Wheels)」が建立された。

 

ロンドンオリンピック(2012)の準備最盛期の20105月、当の佐藤顕明師が、往時のウイリアムソン教授と日本人留学生の交流について口述寄稿した整然とした論文をネットで読める。

若き日本人留学生を見守り続ける 

「日英関係の始まりに見る、ある英国人の無償の愛」

(http://www.news-digest.co.uk/london-olympics/trivia/53-uk-japan.html)

 

(つづく)