洛禎OB会の報告(その2)  伊藤一男     5−17−2015
 
 
山極学長のこころ
 
鶴田先生は山極学長の入学式 式辞のコピーを出席者全員に配布して下
さいました。
 
先生は山極学長を高く評価しておられ、特に式辞のなかの言葉「京大の 
文化が京都の持つ土地柄に根差し、独創性にこだわり、わが道を往く、
何事も未来への挑戦である」等々が強調されているので、式辞全文を読 
んで欲しいとのことでした。(伊藤注:山極学長の式辞はインターネッ
トで検索可能)
 
式辞のなかで<国際化時代への対処>についての一部を抜粋します。
 
国際的な交渉の場で力を発揮するには、日本はもちろんのこと、諸外国
の自然や文化、歴史に通じ、相手に応じて自在に話題を展開できる広い 
教養を身につけておかねばなりません。理系の学問を修めて技術畑に就
職しても、国際的な交渉のなかで多様な文系の知識が必要になるし、文 
系の職に理系の知識が必要な場合も多々あります。世界や日本の歴史に
も通じ、有識者たりうる質の高い知識を持っていなければ、国際的な舞 
台でリーダーシップを発揮できません。そのために、今、大学は外国語
の能力の向上を図り、質の高い基礎・教養教育を徹底する必要がありま 
す。(略)
 
昨年の10月に総長に就任して以来、私は京都大学が歩む指針として
WINDOW構想を立ち上げました。大学を社会や世界に通じる窓として
位置づけ、有能な学生や若い研究者の能力を高め、それぞれの活躍の場
へと送り出す役割を大学全体の共通なミッションとして位置づけた 
いと思ったからです。大学の教育とは知識の蓄積と理解度だけを向上さ
せるものではなく、既存の知識や技術を用いていかに新しい発想や発見 
が生み出せるかを問うものです。その創造の精神を教職員と学生が一体
となって高めるところにこそ、イノベーションが生まれるのです。すべ 
ての学生が同じ目標に向かって能力を高めてもイノベーションには結び
つきません。違う能力が出会い、そこで切磋琢磨する場所が与えられる 
ことによって、新しい考えが生み出されていくのです。京都大学は単に
競争的な環境を作るのではなく、分野を超えて異なる能力や発想に出会 
い、対話を楽しみ協力関係を形作る場を提供していきたいと考えていま
す。そういった出会いや話し合いの場を通じてタフで賢い学生を育て、 
彼らが活躍できる世界へ通じる窓を開け、学生たちの背中をそっと押し
て送り出すことが、私たち京都大学の教職員の共通の夢であり目標なの
です。(その2、完)