平成28914

西 村 三千男

私の白内障手術顛末記

 

これまで永年にわたって、眼が丈夫でメガネ不要であることが自慢であった西村が、遂に白内障手術(しかも両眼同時)を受けた。

 

昨年夏、左眼の視力に少し違和感があり、眼科クリニックを受診(2015.8.31)した。「左眼に後嚢下白内障の疑いあり」と診断された。区役所の定期健診(=長寿健診)で、動脈硬化の程度を診断するため、年に1回眼底写真を撮影しているが、白内障であれば鮮明な眼底写真は撮れない。直前年度の健診(2015.2.19)までは眼底写真に異常はなかったが、直後の健診(2015.12.17)ではアウトであった。定期検診から約6ヶ月の経過で「後嚢下白内障の疑い」が見つかったのである。

 

後嚢下白内障

 

後嚢下白内障とは、水晶体レンズの後方皮質が白濁してスリガラス状になる症状である。症状の進行が速く、従って視力低下も速く進むと云われている。私の場合、上述の如く6ヶ月の経過で「セーフ」から「アウト」に転じたのであった。

 

赤星先生方式の白内障手術

 

三井記念病院に赤星隆幸先生あり。1992年に白内障の新規手術法「プレチョップ法」を自ら考案、開発された飛びっきりの眼科名医である。当時の新聞記事で紹介されたのを(将来自分が患者としてお世話になるとは毫も予想しなかったけれど)注目してきた。この辺の事情は、アイソマーズ通信2010号に伊藤英二ZWさんが発表された白内障手術体験記への私のコメントの中で述べている。白内障手術と三井記念病院 (<http://isomers.ismr.us/isomers2010/hakunaishou.htm>)

 

赤星プレチョップ法についてはネット情報が多数ある。一般の手術法では片眼20~30分かかる手術時間が赤星法では約5分に短縮できるのは何故か?などの説明は文末の引用pdfとその他ネット情報を参照。

 

事前の診察

 

 予備診察は医局の女医先生であった。三井記念病院の眼科医局には10名弱の女医先生が配置されていて、手術前の数度の予備診察と手術後のフォローを担当している。当院では赤星先生の名声効果により白内障の治療を求める眼科の患者が多くて診察予約の順番をとるのが一苦労である。フル回転で多忙な赤星先生を医局チームが支えている構図である。

 

西村の担当はN先生に決まった。N先生は私と対話しながら、視力検査室のデータに基づいて眼内人工レンズの設計、手術計画の策定まですすめられた。西村は日帰りの片目手術を希望したが、N先生を通じて赤星先生から以下のご助言があった。「健全であった右眼にも白内障が進行している。また両眼にかなりの乱視の所見がある。近年、眼内レンズに精度よく乱視を矯正する設計が可能になっている。当院へ来られた全ての患者に最高の治療を施術したい。最高、最善の治療によって最良の結果を得るために、23日の入院を推奨する」と。手術前の最終予備診察は赤星先生ご自身が担当された。

 

手術の実体験

 

 入院私の手術日は2016.5.16()であった。指定された通り、手術日前日の昼食後に入院した。入院の1週間前から目薬点眼スケジュールが指示されており、入院後は更に細かく時間割が指図された。手術の少し前まで所定の点眼や血圧測定をしながら自分の入院病室で待機した。私の場合個室入院を選んだが、その他に特別室、2人部屋、4人部屋もある。入院組と日帰り組を合計すると1日の手術件数は平均40~50人と言われる。

 

手術手順手術室は2室あって、それぞれに手術専用椅子を備えている。2室の間は医師とスタッフ用に連絡通路で連通している。西村の手術手順は次の通り。

1.        右室の手術台に導かれて手術準備

2.        赤星先生が現れて右眼を手術(約5分)

3.        赤星先生は隣の左室へ移動して他の患者を手術

4.        暫くして(約10分)赤星先生が右室へ戻り、左眼を手術(やや手間取って約10分?)

 

手術椅子手術椅子には最新鋭、最高の手術機材を備えている。設備の画像イメージはキーワード「赤星隆幸 手術椅子画像」でネット検索出来る。ドイツ製の手術用顕微鏡、米国製の赤星式プレチョッパー、その他多数の精密機材に投下された設備投資は高額であったと赤星先生が各所で述べている。

 

手術中手術室の中は静謐である。BGMは無い。赤星医師以外のスタッフは殆ど無言である。どんな微細な音も手術中の赤星先生の耳に届くようにという配慮とのこと。そんな中で赤星先生は患者をリラックスさせるように優しく囁きかける「あまり緊張しないで」「手術はすぐに終わるから動かないで」「ほら、もう殆ど終わりですよ」等々。

 

手術後手術の切開口はなんと幅1.8ミリで、縫合もしなくてよく、ガーゼの眼帯さえも不要であった。ただ、うっかり自分の手が触れるのを防ぐためゴーグルを装着した。このゴーグルは、手術後5日間、特に就寝時は必ず装着するよう指示された。病室に戻って指定の点眼と内服薬を飲んで安静に一夜を過ごした。

 

退院手術翌日は8時過ぎに退院前診察を受け、会計を済ませて即帰宅した。

 

入院料:入院料の大部分は個室に入院した差額ベッド代であった。

入院料\37,000. + 差額室料\120,000. + 消費税\9,600 + 薬その他 \168,720.

 

退院後:退院後は2回の再診(5/256/1)を経て紹介元の眼科クリニックへもどされ、3ヶ月通院して経過観察を受けた。手術後、視力が安定する50日目頃(2016.7.6)に三井記念病院で視力検査と処方箋発行を受けた。今後はサングラスと読書メガネを着用するようにとの医師の指導を受けた。生まれて初めて(保護メガネ)以外のメガネを使うようになった。

 

                              以上

引用資料:日本経済新聞(夕刊)「人間発見」(2013.6.10~14) (pdf添付)