解説 水素爆弾と電磁波

 

水素爆弾をロケットの弾頭に装備して長距離飛行をさせるとき、上空では空気のないところを飛ばなければならない。これが地上近くまで落ちて爆発できるためには、大気突入のとき大気との摩擦よってに起こる高熱に耐えるように弾頭を製作しなくてはならない。その技術を北朝鮮が持っているかどうかは、現在不明である。

 

9月3日の水素爆弾実験以来云われ始めたことは、もし北朝鮮がそれを持っていなくても、他国を大混乱に落とす方法が存在するということである。その方法とはロケット弾頭で水素爆弾を運び、大気突入の前に上空(たとえば100Km)で爆発させると、強力な電磁波が発生するので、それがサテライトはもちろん地上の通信用電子機器を破壊してしまうだろうという予想である。

 

核融合反応では核の組み換えがおこるので、外殻電子は一時的に居場所を失い自由に空間を飛び交うことになるから、それから電磁波が発生することは容易に理解できる。

 

このような強力な武器を北朝鮮に放棄させることはもはや何者にも不可能である。この状況は旧ソ連が莫大な数の核兵器を所持した時の状況と酷似している。北朝鮮はその核兵器をどのように使おうとしているだろうか。アメリカや日本を核兵器で攻撃しても利益があるとは考えられない。なぜなら、アメリカや日本に被害を与えたら、たちまちアメリカに攻撃されて北朝鮮は立ち上がれないくらい破壊されるであろう。北朝鮮をつぶすことは、北朝鮮が中央政権の国であるためアフガニスタンやイラクのISISを潰すことよりはるかに容易なことであろう。しかし中央政権が崩壊しても、軍部は韓国に攻め込みゲリラてき内線を起こすことはあり得るだろう。それを抑えるだけの軍力は韓国にない。朝鮮半島全体は手がつけられなくなるまで混乱するかもしれない。

 

北朝鮮にとって、核兵器を直ちに使うよりははるかに利が大きいのは、外交の後ろ盾として使うことだろう。核兵器を持つ国の主張は強い。それを利用して韓国を統合する政策を強化する、また中国やロシアに対して強い立場で種々の交渉を行うことが考えられる。しかし、外交には柔軟な姿勢が必要で、北朝鮮はその点で極度に未熟であるから、これからの核兵器の開発で他国を脅かす態度が続く可能性が大きい。