ハッカーからのメール: 国際的メール詐欺に注意

 

数日前にメールに入っていた通知を読むと、メールシステムの安全を確保するため、次の欄にあなたのメールアドレスとそれのパスワードを入れてください。その記入がない場合は、あなたのメールが全部停止になります、という恐ろしい内容であった。

 

メールが全部停止になると困るとは一瞬思ったものの、この通知は奇妙で、もし本当に私の使っているAOLが確認のためにこんなことをするとすれば、もっと公な広報があってもよいはずで、いきなりこのような要求をするわけはないと思われた。そこで本当にAOLからの通知かどうかを確かめるために、送り先をみるとデンマークからの発送であり、アメリカの会社であるAOLがデンマークからこのようなメールを出すことはないはずだから、明らかに詐欺行為として行われていることがわかった。

 

しかし、「メールが全部停止になる」と言われては、メールアドレスとそれのパスワードを入れて送り返す人もいることであろう。

 

近年は電子メールとインターネットに頼らなければ毎日の生活が成り立たない。買い物のほとんどはアマゾンでのメール販売、銀行と投資関係も全部インターネット、旅行の予約手配と切符の購買ももちろんインターネット、つまりインターネット以外で金のやり取りを行うことは非常にまれになった。しかしここで中枢的役割を果たすのは電子メールであって、注文の確認や領収書は電子メールで行う。またインターネットのパスワードを忘れたときの回復は電子メールが役割をはたす。

 

一方、ハッカーにとってはインターネットで悪事をするときに最も役に立つのが、電子メールのアドレスとパスワードである。これがあれは、その所有者の銀行口座と投資関係などを含め、非常に広範囲の個人的詳細情報が集められるからである。実際、電子詐欺で金をとられるのはこのようにして行われることが多いといわれる。だから、先に書いたようなメールにパスワードまで書いて返送するとすれば、悪者に取っては鴨が葱を背負ってやってくるのと同じくらい笑いが止まらないであろう。

 

今回の一個のメールで、一線をこえればとんでもない被害にあう危険にさらされたのである。

 

中村省一郎

December 2016