随筆自己出版の薦め

 

アイソマーズ通信は2002年号からはじまり、2017年で16年目を迎えます。振り返ってみると、多くのアイソマーズ会員から力作の記事が毎年寄せられ、どの号にも読み返してみて新たに参考になったり、新発見をするような掲載記事にあふれています。編集者として、寄与してくださった著者の皆様に深くお礼を申し上げます。

 

アイソマーズ通信に載せられた記事は、後の世代まで残されるべき価値のものが多くあります。しかし、いつも気がかりなことは、私が元気で編集を続けてゆくことができなくなる時がいつか必ず来ることです。

 

このことにも関連して、アイソマーズ通信に載せられた記事を印刷出版物にする方法がないかを時折考えてきました。私の出版の経験から、それが不可能ではないことを悟ったのはごく最近のことです。

 

私の要点というのは、アイソマーズに投稿くださった各位が、過去の記事を集めて随筆集にまとめ自己出版をしていただけないかということです。数人で集まって出版をしてもかまいません。自己出版とはどういうことかを以下に説明します。

 

まずは従来の自己出版ではどうかということですが、その事情はこうです。出版会社と交渉して自己出版したいと申し出れば、その出版社の名を汚すような内容でない限り、著者がそれこれの金を前払いするならやりましょうと言って呉れるチャンスはあります。その金額はかなり高額で100~200万円にのぼり、そのくらいの出費があってもどうしても出版会社を通じて自己出版したいという場合に限られます。出版会社からの印税収入は5~7%と非常に低いので、大量に売れない限りよい収入は見込めません。

 

一方、近年の出版技術は驚くべき発達をしていて、アマゾンとその関連会社であるCreateSpace.com社をから自己出版すれば、著者の出費はゼロで自費出版が可能です。アマゾンからの出版はキンドル方式(電子書籍形式)CreateSpace.comでは印刷本です。アマゾンの電子書籍では言語は何語でもよく、配布は世界全国。一方、CreateSpace.comでは言語は自由で日本語で書くことは可能ですが、郵送配布は米国とヨーロッパだけ。全く同じ本をアマゾンの電子書籍とCreateSpace.comの印刷本で出版することは可能です。写真の使用には制限がありませんが、アマゾンはカラー、CreateSpace.comでは表紙以外は黒白のみ。

 

アマゾンおよびCreateSpace.comで出版する本の価格は著者が決め、印税は販売する国と単位価格によってもことなりますが、約70%~30%の幅内にあり従来の出版会社を通じて自己出版に比べると格段に高いです。

 

アマゾンの出版法は電子書籍ので、コストが安いことは容易に理解できますが、CreateSpace.comで同様に低コストで出版できるのは、印刷本の在庫は一冊もなく、注文が来ると直ちに印刷と製本をおこない、その日の内に発送してしまう技術のためです。

 

また、アマゾンおよびCreateSpace.comで出版する場合、双方ともアマゾンを通して売ると、アマゾン自体が強力な宣伝力を持っているし、グーグルがすぐに見つけて検索機構にのせて呉れるので、何もしないでも販売が進みます。さらに本のマーケッテイングを自分の費用で行うことは自由です。金を使わないで独自に宣伝する方法もいくつか見つかるでしょう。

 

私の最近の3冊の本はアマゾンおよびCreateSpace.comの両方です。日本語電子版もあり、日本では日本語英語版の両方が販売されています。自分自身でのマーケッテイングは一切やっていませんが、毎月売り上げは上がっています。口コミの宣伝のおかげと思われます。

 

自己出版の原稿をどのようにまとめたら良いかについては、次稿で詳しく書く予定です。すでにアイソマーズに掲載されている記事を一冊の本にまとめることは、さほど苦労の要ることではありません。

 

中村省一郎

12-30-2016