驚くべき電子書籍出版の世界

 

中村省一郎                                                                        

3-29-2003           

 

第一回 電子書籍の形式

 

電子書籍、あるいはイーブック、は英語圏では大流行ですが、日本ではまだまだ発達していないように思われます。その理由は、日本のインターネットが英語圏から隔離されていることも一つの理由だと考えられますが、意外なことに社会制度、特に銀行の制度あるいはサービスの規制に関係があるかもしれません。電子書籍と銀行の関係は、電子書籍を書きたい著者にも大きな影響を与えていると言わなくてはなりません。

 

この話題に興味を持ち調べ始めた理由というのは、電子書籍の形で、従来の出版社を通さないで専門書が出版できないのものか、と考えるようになり、イーブックの作り方と販売経路について数ヶ月調べ続けたのです。その結果思いもしなかったようなインターネットの世界の奥を発見することになりました。

 

これから書くのは、英語圏での事情ですが、日本ではどうなっているか、また、日本にはどの様に応用できるかを考えて行くのは興味のあることです。一度に多くのことを書くのは無理なので、何度かに分けて連載記事として紹介してゆく予定です。

 

イーブックの形式は大きく分けて二つあります。

 

一つは、出版社が従来の本で出版し販売する替りに電子書籍として、計算機で読めるようにして売り出しているもの。これは、アドビ社のPDF形式を使うのが普通です。この場合、著作と編集の手間と費用は、従来と変わりませんが、印刷の費用がかからない、販売をインターネットを通して自動的に行えること、読者にとっては本が計算機上で読める、また本の保存が無限に長くなる、などの特徴と利点があります。しかし、著者にとっての苦労は、従来の出版と殆ど違いありません。

 

二つ目は、短い物語、レポート、カタログなどをまとめたもので、イーブックコンパイァーといわれるソフトウェアをもちいて、電子書籍として配布あるいは販売されています。この場合、形式はHTMLで、電子本はウェブサイトで記事を読むような作りかたになります。いいかえれは、インターネットのウェブサイトのページを、電子書籍としてまとめ、計算機をインターネットに繋がないでも、いつでも読めるように出来るわけです。電子書籍にすると、数多くのファイルやページがあっても、出来上がりは一個のファイルになるので、イーメールでもやり取りができる、CDに入れて送ることもできる、受け取った方も保存や管理が楽です。たとえは、このアイソマーズHPを電子書籍の形で配りたいとしましょう。そのためにはHPに掲載したすべての記事のファイルを、コンパイラァーにかけて、一まとめにすれば出来上がりになります。

 

しかし、なぜHTMLで書く電子書籍が驚くべき世界に発展するのか。そのさまざまな面を今後何回かに分けて、筆のすすむままに紹介して行きたいと思います。