我が追憶のハイデルベルク、そしてドイツ

 

第7話  ドイツのゴルフ場

 

 昨年5月のヨーロッパ旅行の際に、私たち夫婦がL氏ご夫妻からランチに招待さ

れたゴルフ場はESSENER GOLFCLUB(Essen-Kettwig)といって、ゴルフがさほど盛ん

ではないドイツではその歴史と格で1,2位を競う名門ゴルフ場だと云う。コース

に出てみたのではなくクラブハウスから眺めただけであるが、素晴らしい新緑の森

に囲まれていた。緑を特に大切にするドイツ人がその価値を認めているのだろう。

アクティブメンバーは100名位とのことで、気の向いた日時にいつでもスタート

出来ると云う。レッスンプロはいるけれどキャディは居ないのが日本のゴルフ場と

はまるで違う。プレーする人がそれぞれ自分で1人用のカートを曳いている。

 プレーは普通はスルーでやる。レストランはプレーヤーがハーフタイムに食事す

るのではなく、その日はプレーをしないメンバーが家族や友人を伴って食事に来る

スタイルである。友人をメンバー制クラブに招待するという意味合いと、メンバー

がクラブの運営と売上に協力する意味合いとを両立させているようである。年間に

所定の回数、プレーする日以外の日に友人や家族とレストランで食事をすることが

メンバーの義務となっている。クラブがメンバーに特典を用意するのではなく、メ

ンバーが自分たちのクラブへ一定の貢献をすることが当たり前になっている。これ

はドイツのゴルフ場に限ったことではなく、フランスのメンバー制のテニスクラブ

などでも同様であったから、むしろ日本のゴルフクラブが異質でカントリークラブ

の本来の姿から逸脱しているとも言えそうだ。

 私たちは屋外のテーブルで5月晴れの柔らかい陽射しの中でドイツ白ワインとシ

ュパーゲルをエンジョイした。L氏ご夫妻は周囲のテーブルのどの家族ともお互い

に親密そうであった。L氏と連れ立って手洗いへ行く時にすれ違う見知らぬドイツ

人に「今日のゲストのこの日本人は・・・・」と紹介されるような、言わば家族的

な雰囲気であることを肌で感じた。

                          (第7話おわり)

                          2002.9.17記