我が追憶のハイデルベルク、そしてドイツ

 

先の随筆で「ガッターマン」がハイデルベルク大学の講義録であると述べたところ

武山さんがブンゼンとハイデルベルクとドイツ語についてリマークしてくれました。

私の思い出がドンドン拡がります。

調子に乗って幾つかの回顧録を連載致しますので暫らくご笑覧下さい。

今のところの予定テーマは「リラの花咲く頃」、「ドイツの救急車」、「シュパー

ゲルツァイト」、「長男の結婚式」など5〜10編です。

 

第1話  リラの花咲く頃

 

ハイデルベルクは大学に学ぼうとする世界5大陸の若者達に昔も今も魅力的なブラ

ンドの一つであります。ドイツ最古の大学、中世の古城、ラインの支流である美しい

ネッカー川、天災も戦災も免れた中世風の格調高い街並み、学生の落書きで有名な居

酒屋群などがロマンチックに思えるのがその理由かも知れません。

既に多くのアイソマーズがここを訪れたことがあってアクセスもよくご存知でしょ

う。フランクフルトから南方約100キロと近くて、空港から特急電車で僅か50分

です。日本への帰国便を待つ間を利用しての半日観光も可能です。ハイデルベルク中

央駅から旧市街や城址へは、時間に余裕があって天気も良ければタクシーに乗るより

も歩くのも一興です。

城址の正面の建物をくぐり抜けると、展望バルコニーに出ます。ここからネッカー

川や美しい街並みが一望出来るので、誰でもが記念写真の撮影ポイントに選びます。

バルコニーの周囲や城の中庭にはリラの花木が多数あり、4〜5月頃は花盛りです。

私はこの場所で「これがライラックだよ」と駐在員時代に生まれて初めて教わりまし

た。武山さんや中村さんは花木や植物全般に随分お詳しいとお見受けしますが、私は

この方面に一向に疎くて「リラはフランス語、英語名をライラック」という辞典にあ

るような知識はあっても実際の花はそれまで知りませんでした。しかしリラという名

前は覚えやすいので、それ以降は出張者などをハイデルベルク城に案内するときには

「これがライラックだよ」と知ったかぶりをしたものです。

今年の初夏にドイツ旅行をご予定の方は、ハイデルベルク城のリラの花を探訪され

ては如何でしょう。

この拙文がHPに掲載されてから旅行計画を立てられても「リラの花咲く頃」に間

に合いそうです。                                               

 

 

後書:

日経夕刊に「明日への話題」というコラムがあります。6人のライターが半年の間

各曜日を担当します。この原稿を起草している平成14年3月20日付けの夕刊に

植田紳爾氏(宝塚歌劇団理事長)が「スミレの花咲く頃」をテーマに次のように書

かれていました。

『昭和5年から宝塚歌劇団のテーマ曲になっている「スミレの花咲く頃」はフランス

の「白いリラの咲く頃」とルーツがおなじである。原曲はドイツの「白いニワトコ

の花が再び咲く」という曲である.』と。