西村さんの『長男の結婚式』を読みました

武山高之

 

本筋とは関係ありませんが、奥様がミラノで高価なお買い物をされたとのこと。ミラノは1015年前、私も仕事でよく通いました。その頃の私にとって、海外出張の時、妻や娘にお土産を買うのは、大変な重荷でした。本屋は別として、買い物のため、ぶらぶら街を歩くのが嫌いです。と言って、ファッションの街ミラノに来て手ぶらで帰る訳にもいきません。そこで、いつも大聖堂の近くのエマニュエル通りで、手頃な値段の物を買うことにしていました。繊維ファッションを見るのは大変難しいので、もう一つのイタリア製品である皮製品とくにハンドバックなどが対象になりました。私の買い方は奥様がたと違って、早足で街を歩きながら、まず面白そうな店を見付け、日本にないようなデザインを選び、直感的によいと感じた物があれば、すぐ買い求めることでした。〈こちらのデザイン良いとか〉〈あちらが廉いとか〉を考えるのが面倒で、間違えていても、大して損にならないような、カジュアルなものを買っていました。結果的には、妻も結構気に入ってくれて、ぼろぼろになるまで使ってくれました。一方、娘は注文が多く、寸法を入れたスケッチを描いてもらっていました。それを店員に見せながら、品物を選びました。これは、店員との会話も楽しめて、注文と少しでも違うと値切りのタネにもなり、結構楽しい方法でした。

一度、高級ブチックの並ぶモンテ・ナポレオーネで買い物をしましたが、ここで買った物はあまり使われなかったようです。私には高級品を選ぶ目がないのでしょうか。それとも、我が家には高級品は似合わないのでしょうか。今度行く時は西村さんのように、〈気絶しそうな恐ろしい気持〉になることを覚悟して、妻と一緒に行きたいと思います。